日本全国にある大学(学部・学科)の約半数で実施されている帰国生入試ですが、人気は集中する傾向にあります。海外滞在中からの十分な知識習得と試験対策は必須です。
滞在時からの準備
情報収集
複雑な大学入試を乗り切るには、海外滞在中から早めに情報を収集し、意思を固めておくことが大切だろう。
情報収集にはウェブサイトが便利だが、大学(学部・学科)個別のもの以外に「大学選びの総合サイト」もチェックしたい。在学中に取得可能な資格や卒業後の進路など、学校の特徴を把握できるだけでなく、卒業後につながる職業適性を判断できるものなど多岐に渡る情報を得られるからだ。
また、各大学(学部・学科)では、入学希望者を対象にしたイベントも数多く開催している。「オープンキャンパス」では、学長の講演、研究室訪問、授業体験、個別相談会、キャンパスツアーなどを実施している。(2022年度はオンライン開催が多数。)
出願書類の手配&作成上の注意点
(近年はWEB出願が主流)
入学願書一式 | 帰国後の日本の住所が未定で仮住所が必要なときは、親類などに了解をとっておく。 |
---|---|
最終学校の卒業(修了)証明書または卒業見込み証明書 | 多めに依頼しておく。卒業証書のみを発行する学校なら、そのコピーに学校側の公印や学校長のサインをもらう。学年の区切りによる違いなどで卒業見込み証明書の出る時期が出願に間に合わない場合は、大学側に事情を説明しておく。 |
現地在籍校の成績証明書 | 高校の成績証明書(学校印のある成績表のコピー)は全て必要。海外での在留期間を証明するため、中学の成績(在籍)証明書まで要求されることも。イギリスに滞在している場合は、スクールレポートのすべてをコピーして提出させる大学もある。 |
統一試験の スコア証明書 | 試験実施機関からのオフィシャルスコアの直接送付義務があれば、日にちに余裕を持つこと。オセアニア圏の統一試験は結果が出るのが遅いため、日本の大学の合否が判明してから送付するケースもある。 ※語学運用能力試験のスコア証明書、またはそのコピーを提出させる大学もある。 |
海外在留 証明書 | 海外での在留期間を証明する書類で、通常保護者の勤務先が発行する(在外公館が発行する場合も)。提出を求めるのは「保護者の赴任に帯同して」海外に渡航したことを条件とする大学。 |
推薦状 | 学校長(学校教員でもよいとする大学もある)が作成した推薦状を求める大学もある。翻訳や厳封が必要な場合は指示に従う。大学が指定した用紙を使う場合がある(東京大学、早稲田大学など)。 |
海外歴 | 出・入国日や、小学校以降の転出・転入日は正確に記入のこと。 |
志望理由書 | 文字数指定は、800字、1000字、1200字など。願書の一部に欄を設けている大学もある。 |
受験料 納入証明書 | 「コンビニエンスストア振り込み」としている学校が一般的(クレジットカード決済を認めている場合もあり)。また、インターネットでの出願を行っている大学などでは、「ATM振り込み」、「ネットバンキング」などの利用が可能なところも。 |
日本国内の 高校の在籍期間証明書 | 帰国前または帰国後に日本国内の高校に在籍した場合は、在籍期間証明書が必要。早めの依頼を心掛けたい。日本の高校に数カ月でも通った場合は必要になる。 |
写真 | スピード写真不可や、画像データを求める大学も。 |
パスポートのコピー | 一部の大学で出願時に必要。 |
海外での情報収集に便利なウェブサイト
『大学受験パスナビ』
『キャリタス進学』
海外から取り寄せできる進学ガイドブック
『帰国生への学校案内≪関西≫小学校・中学校・高等学校・大学』
Mail:kakehashi@kansei.email.ne.jp
編・発行/関西帰国生親の会かけはし
『帰国子女のための学校便覧』
編・発行/(財)海外子女教育振興財団
『海外・帰国生のためのスクールガイド Biblos』
編/JOBAビブロス編集部 出版/東京学参(参)
【関連記事】