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イグ・ノーベル賞受賞者たちが楽しくレクチャー! 小中学生向けオンラインイベント(前編)

ユニークな研究や発明に贈られるイグ・ノーベル賞、日本人は14年連続受賞!

“裏ノーベル賞”ともいわれる「イグ・ノーベル賞」は、ノーベル賞のパロディとして1991年にスタート。世界中の独創的で面白い研究や開発をしている人々に対して贈られる賞で、毎年秋、本家ノーベル賞の発表と同時期にハーバード大学のサンダーズシアターで表彰式が行われる。実はこのイグ・ノーベル賞、日本人が多く受賞していて、昨年(2020年)は「ヘリウムガスを使うとワニのうなり声も高くなることを発見した」ことに対して、京都大学 霊長類研究所 准教授の西村剛(にしむら・たけし)氏らの国際研究チームが音響学賞を受賞。これで日本人は14年連続受賞を達成した。

何の役に立つの? 不思議な研究の謎がとける?

「ヘリウムガスとワニのうなり声」という研究テーマにもいえるが、イグ・ノーベル賞に選ばれた研究や開発は一見すると「一体何のために?」「何の役に立つの?」と思うものが多い。そんな疑問に答えてくれそうなのが、「はまぎんキッズ・サイエンス トークイベントVol.8『ユーモアと科学のイグ・ノーベル賞』」だ。

「はまぎんキッズ・サイエンス」(※1)では毎年テーマを設けてトークイベントを開催しているが、今年のテーマは「イグ・ノーベル賞」だ。日本時間で4月24日(土)の<第0回>から9月18日(土)の<第6回>までの不定期土曜日に、イグ・ノーベル賞に詳しい先生や受賞者を招き、計7回のオンラインイベントを開催する。

企画担当者のひとり、はまぎん こども宇宙科学館 事業課ディレクターの毛塚富美(けづか・ふみ)氏に、イベントについて話を聞いた。

「基本的には科学的なトピックを選んでいますが、当館の主な対象である小中学生はこれからますます興味や視野が広がっていく年代なので、幅広い分野を取り上げるようにしています。今回は日本人に縁のあるイグ・ノーベル賞にスポットを当てますが、そもそもこの賞がどのような賞なのかを子どもたちに知ってもらうために、第0回では導入として“イグおじさん”とも呼ばれている立教大学 理学部 特任准教授の古澤輝由(ふるさわ・きよし)先生にお話をしていただきます。第1回~第6回は、西村剛先生をはじめ日本人の受賞者の方々に登場いただき、ご自身の研究などについて教えていただきます」

そもそもイグ・ノーベル賞って何? <第0回>からの参加がおすすめ

この<第0回>というのもユニークだが、これは昨年開催された「はまぎん・キッズサイエンスVol.7 はやぶさ2の現場から -史上初のサンプルリターンへの挑戦-」から取り入れたステップだという。

「それまでは普通に1回~6回までを行っていましたが、いきなり専門家の方が登場して講演する形式では子どもたちにとって少し難しいといいますか、テーマの概要や説明などの導入があってからの方が専門家の方のお話を楽しめるのではないかと考え、<第0回>を始めました」と毛塚氏。

昨年のイベントは本サイトでも紹介したが、<第0回>にはJAXA名誉教授・はまぎん こども宇宙科学館館長の的川泰宣(まとがわ・やすのり)先生が登場し、はやぶさ2へ引き継がれたミッションだけでなくご自身の子どもの頃のお話なども語っている。これらは現在もアーカイブ視聴できる。(過去の配信動画

続きは明日掲載の<後編>にて。

(取材・文/中山恵子)

※1 横浜こども科学館(はまぎん こども宇宙科学館)のネーミングライツスポンサーである横浜銀行と、科学館を管理する横浜市こども青少年局、科学館を運営する指定管理者コングレ・NTT ファシリティーズ共同事業体の 3 者による、次世代を担うこどもたちの科学や宇宙への理解を深めることを目的とする協働事業。

イグ・ノーベル賞受賞者によるオンライントークイベント概要

配信スケジュール/各日程15:30~16:30+α(日本時間)

古澤輝由先生
<第0回> 4月24日(土)
「奇想天外!? イグ・ノーベル賞の世界 ~日本人14年連続受賞中!~」

古澤輝由先生(立教大学 理学部 特任准教授、サイエンスコミュニケーター、 PICO factory Japan 代表)

西村剛先生

<第1回>5月8日(土)
「鳴き声はどう変わる?~ワニとヘリウムの研究~」

西村剛先生(京都大学 霊長類研究所 准教授)


中垣俊之先生

<第2回>5月15日(土)
「パズルの達人!? ~真正粘菌の研究~」

中垣俊之先生(北海道大学 電子科学研究所 教授)


馬渕清資先生

<第3回>7月3日(土)
「ホントにすべるの?~バナナの皮から広がった命のふしぎの世界~」

馬渕清資先生(北里大学 名誉教授)


東山篤規先生

<第4回>8月7日(土)
「大きさ・距離・明るさはどう見える? ~股のぞき効果の研究~」

東山篤規先生(立命館大学 特任教授)


中垣俊之先生

<第5回>9月11日(土)
「どっちがオスでどっちがメスなの? ~トリカヘチャタテの研究~」

吉澤和徳先生(北海道大学農学部 准教授)


今井真介先生
正村典也先生

<第6回>9月18日(土)
「どうして涙が出てくるの? ~たまねぎの研究~」

今井真介先生、正村典也先生(ハウス食品グループ本社株式会社)


※詳細は公式HPを参照
はまぎんキッズ・サイエンストークイベント「ユーモアと科学のイグ・ノーベル賞」