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マイクロビットで宝探しも!前原小のプログラミング授業と事業報告会

2020年度から始まる小学校でのプログラミング教育必修化に先駆けて、総務省の「次世代学校ICT環境整備」実証事業のモデル校である東京都小金井市立前原小学校では、国内公立小学校では初のフルクラウド環境で低コスト端末を利用した授業を展開している。

その1年間の統括として「見えた!前原のプログラミング‐プログラミングは現代の砂場遊び!」と題した公開授業と総務省事業報告会が行われた(2月23日)。

ねらいは「表現を思い切り楽しむ!」

同小ではプログラミングを「新しい学び」の象徴として、1・2年生は教育課程外で15時間程度、3~6年生は総合的な学習の時間で年間35時間実施している。

「定義があいまいな“プログラミング的思考”の育成を授業のねらいとはせず、表現を思い切り楽しむ!」と“ねらい”について同小の松田孝(まつだ・たかし)校長は話すが、その言葉を裏付けるように、公開授業ではどの学年の児童たちも活発にコンピューターを使った課題や表現に取り組んでいた。

授業内容は、11月の公開授業を発展させたもので(詳しくは過去記事参照)、低学年はIchigoJamとCutlery Appsを使ってマウス操作のみでプログラミングを行い、1年生はLEDランプを点灯させ、2年生は自動運転車Radishを自在に走らせることに挑戦した。

3・4年生と5・6年生は、児童が希望するコンピューター言語でのプログラミングを学習。例えば、音楽製作ソフトウェアのGarage Bandで作曲したり、IchigoJamとカムロボ(カムプログラミングロボット)を使って“ロボットがセンサーに反応して止まる”ようにプログラミングしたり、キーボード入力によるプログラミングを習得したりと、さまざまな授業が行われた。

Garage Bandで自分のテーマソングや卒業式などイベントのテーマソングを作曲
Garage Bandで自分のテーマソングや卒業式などイベントのテーマソングを作曲
タミヤのカムロボを使ってロボットプログラミングに挑戦。
タミヤのカムロボを使ってロボットプログラミングに挑戦

縦割り活動×プログラミングの画期的な授業

なんといっても児童たちが楽しそうだったのが、中休み(45分間)に行われた縦割り活動の「校内マイクロビット宝探し」だ。

全校児童を36班に分けて、各班にmicro:bitを与える。校内に50個の宝(micro:bit)が隠されていて電波を放出しているので、児童たちは自分たちのmicro:bitを近づけて電波を探し出す。高学年と低学年の児童は一緒になって校内を走り回りながら、宝探しに熱中していた。

異なる学年の児童が交流を深めながら、コンピューターを使った遊びを体験
異なる学年の児童が交流を深めながら、コンピューターを使った遊びを体験
宝が発見されると、各教室のモニターにリアルタイムで表示される。
宝が発見されると、各教室のモニターにリアルタイムで表示される

また、ICT(情報通信技術)を活用した「朝の会」も実施。学習支援システムschool Tact(ブラウザだけで双方向授業が可能なシステム)を使った「朝ノート」で、先生と生徒間あるいは生徒同士で、その日の気分や意見の共有を行っている。

「朝の時間は、児童の出欠と健康状態の把握をするだけでなく、1日の意欲を喚起することも大切です。そこで『朝ノート』が役立っています。その日の気持ちや目標、意見などを各自が書き込み、それを共有することで、親和型の学級になります。クラスが仲良くまとまりがあると、学習意欲も高まるのです」(松田氏)

午後からは事業報告会が行われ、300人もの聴衆が集まった。小金井市教育委員会教育長の大熊雅士(おおくま・まさし)氏らが登壇し、前原小が提示したICTを中心においたプログラミング授業を高く評価するとともに、AI時代を生きる子どもたちに必要な教育について講演が行われた。

松田氏は「うちの先生はもともとプログラミングに詳しいわけではありません。先生自身も学びながら、子どもたちがわかりやすいようにプログラミングを可視化して黒板に貼るなど工夫をしてくれています」と先生方の努力を讃えるとともに、「教科再編も含めて、10年先を見据えた小学校でのプログラミング教育を考えるべき」と語った。

「マイクロビット宝探し」で“お宝証明書”の引き換え会場(体育館)で児童を待つ松田孝校長
「マイクロビット宝探し」で“お宝証明書”の引き換え会場(体育館)で児童を待つ松田孝校長

(取材・文/中山恵子)

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