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書籍案内|SDGsの重要課題「LGBTQ+」をわかりやすく学ぶ

「LGBTQ+」とは?

「LGBT」という言葉を耳にしたことがある方は多いだろう。だが、LGBTに「Q+」を加えた「LGBTQ+」を知っている方はどれくらいいらっしゃるだろうか? まずは頭文字による分類を見ていこう。

Lesbian(レズビアン)…女性の同性愛者

Gay(ゲイ)…男性の同性愛者

Bisexual(バイセクシュアル)…自身の性を問わず男性と女性、両方の性を好きになる人

Transgender(トランスジェンダー)…自身の身体の性別と、性自認(自分で思っている性別)が違っている人

Questioning(クエスチョニング)…性自認や好きになる性について、わからない・決められない、あるいは、あえて決めていない人

(LGBTに付いた)+(プラス)…これらの枠組みに当てはまらない人

ちなみに 生まれたときに割り当てられた性別と性自認が一致している人のことはcisgender(シスジェンダー)。女性が男性を、男性が女性を好きになるのは異性愛であり、Heterosexual(ヘテロセクシャル)と呼ばれる。つまり、「普通の人」などこの世に存在しない。

「SDGs」(持続可能な開発目標)の重要課題

このLGBTQ+、同じく今やあらゆるところで目にする「SDGs」(持続可能な開発目標)でも重要な課題となっており、その5番目の目標として「ジェンダー平等を実現しよう」が明記されている。

SDGsが国際連合サミットで採択された2015年には、当時の国連事務総長パン・ギムン氏も「LGBTはSDGsのすべての項目に関わる問題であり、『誰も置き去りにしない』というSDGsのモットーに含まれている」と述べているほどだ。

LGBTQ+は1クラス(35人)に3人以上

さてそうした中で、このほど株式会社太田出版から刊行された『図解でわかる14歳からのLGBTQ+』。近年、国際的に議題として挙げられるようになっている「LGBTQ+」についての幅広い知識を14歳、つまり中学生に向けて(さらにその保護者や教職員に向けて)わかりやすく説いている。

同書では、「LGBTは聞いたことがあるけれど、Q+とは何を表しているの? 」といった基本的なところから、「LGBTQ+だと学校で困ることはあるの?」「日本ではLGBTQ+の人を守る法整備は進んでいるの? 」など、中高生から寄せられた32の素朴な質問に答えるQ&A形式で構成され、図解やイラストを交えて学ぶことができるという。また巻末には関連用語集も収録されている。

©社会応援ネットワーク/太田出版
©社会応援ネットワーク/太田出版

同書によると、LGBTQ+の子どもは「1クラス(35人)に3人はいる計算」。これほど身近な存在にも関わず理解が深まっていない現実に、編著者は制作意図を次のように語る。

「『LGBTQ+』や『ジェンダー』というテーマは、誰にとっても身近なものであり、その本質は『自分らしさ』について考えること。だから、正しく理解する人が増えれば、『誰もが自分らしく暮らせる社会』に一歩近づく、と私たちは考えました。」(同書「おわりに」より/心のケアや防災教育、パラスポーツなどの教材・動画作成や出張授業のコーディネートなど、教育現場のニーズに応えた支援活動を行う一般社団法人社会応援ネットワークの高比良美穂代表理事)。