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5月1日時点の就職活動調査(後編)「内定あり」は全体の65.0%

企業の採用広報開始から 2 カ月。2023 年卒学生の就職活動はどのように進んでいるだろうか。就活サイト「キャリタス就活」を運営する「株式会社ディスコ」(本社:東京都文京区)が、5 月 1 日現在のキャリタス就活・学生モニターの就職活動状況について調査を行った。内定状況のほか、今後の活動方針や、内定企業に求める情報など、多岐にわたる項目を調査し、公表している。前年同期調査や先月調査との比較を中心に、全体的な活動状況を確認したい。

インターンシップに参加した企業が、内定を得た企業の6割強を占める

これによると、5 月 1 日の調査時点で内定を得ている学生は全体の 65.0%。先月(4 月 1 日、46.5%)からの 1 カ月間に 18 ポイント余り上昇し、6 割を超えた。前年同期(58.4%)を 6.6 ポイント上回り、先月までに引き続き、早いペースで進行していることがわかる。ただ、先月調査に比べれば前年同期との差は縮まった(8.3 ポイント差→6.6 ポイント差)。

内定を得た企業の属性を確認すると、6 割強(61.8%)がインターンシップ(※1日以内のプログラムも含めて調査)に参加した企業だったも分かっている。3 月以降、月を追うごとに比率は下がっているが、依然としてインターン企業の内定が中心で、それ以外の通常の内定はまだ多くはないことがわかる。内定取得学生のうち、就職先を決めて就職活動を終了したのは 42.2%。内定取得後も半数以上(51.0%)は就職活動を継続していると回答した。

5月1日現在、就職先が決まり就活を終了した者の割合は27.5%

モニター学生全体を分母にして活動状況の分布を見てみる。就職先を決定して就職活動を終了した者の割合は 27.5%。複数内定を保留しているなど未決定である者(4.5%)を合わせると、終了者の割合は約 3 割(計 32.0%)。残りの 7 割近く(計 68.1%)が活動中となる。ただし、文理で差が大きく、文系の終了者は約 2 割(計 23.9%)であるのに対し、理系学生は 4 割超が終了したと回答した(計 45.2%)。

内定を得ている学生に内定企業の業界を尋ねたところ(全 40 業界。複数回答あり)、「情報処理・ソフトウエア」(35.4%)が先月調査に引き続き 1 位となった。ポイント数も伸び(4 月:32.8%→35.4%)、この 1 カ月でさらに多くの内定が出た様子がうかがえる。2 位は「建設・住宅・不動産」(16.6%)で、理系で多い(23.1%)。全体の 3 位は「調査・コンサルタント」(16.1%)。上位 3 位は前年同期調査と同じ順位だった。

68.1%の就活生が5月1日現在も就職活動を継続中

内定保持者を含め就職活動を継続している学生(全体の 68.1%)の動向を確認したい。現在選考を受けている企業数は平均 4.6 社で、前年同期(4.5 社)とほぼ同数。一方で、今後の予定社数は、エントリー、セミナー参加、ES 提出とも前年調査をやや下回る。

ただし、内定の状況によって温度差が見られる。就職活動をどのように進めていくかという方針・戦略を尋ね、内定有無別に集計した。内定を持ちながら活動している学生では「現在選考が進んでいる企業に絞って活動する」という回答が一番多いが(37.6%)、まだ内定のない学生では「新たな企業を探しながら、幅広持ち駒企業を広げていく」が最も多く、約 4 割を占める(39.9%)。内定獲得に向け、新たな企業に目を向けようとする意欲的な姿勢が目立った。

(取材・文/松井さおり)

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