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認可インタナショナルスクールの先生の採用事情

英語圏の教員免許を持っていて、英語力が高いことが先生の条件

我が子をインターナショナルスクールに通わせたいと考えている保護者にとって、〝どのような先生が教えてくれるのか〞ということは大きな関心事のひとつ。「日本の学校の先生になるには日本の教員免許が必要だけれど、インターナショナルスクールの場合は?」「どうやってその学校の先生になるの?」など、気になる先生事情をインターに詳しい村田学氏に聞いた。

インターナショナルスクールの先生になるための条件

「日本の、英語を学内公用語とする認可インターナショナルスクールに限定してお話をしますと、先生になるための大事な条件として、『英語圏の教員免許を持っていること』が挙げられます。英語圏と一口にいっても様々な国がありますが、以前はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアといった国々が主流でした。近年では、英語を公用語とするフィリピンやインド、マレーシア、さらにはナイジェリアなどアフリカ系の国々の教員免許を持った先生も増えてきました」

英語圏の教員免許を取得したうえで、国際的なカリキュラムの研修を取得していくという。

「インターナショナルスクールの代表的な教育カリキュラムに『国際バカロレア』や『ケンブリッジ国際』がありますが、学校側が採用しているカリキュラムを熟知していることは大切です。国際バカロレア認定校の場合なら、国際バカロレアの研修を受けている先生や他の国際バカロレア認定校で指導した経験のある先生を採用する傾向があります」

実際にインターナショナルスクールに就職するには、学校のHPや求人媒体に出ている求人情報を見て応募する方法などのほか、大手エージェントが主催する「教員採用フェア」に登録する方法がある。

「求職中や転職希望の先生がインターナショナルスクールの教員サイトに登録して、フェア開催時に各校に志願します。フェアはボストン、ロンドン、シンガポールなどで開催されていて、多くの日本のインターも参加しています。ここで教員と学校が出会うわけですが、採用には校長の権限が大きいことが多く、英語力、海外経験、人柄、推薦状、課外活動の経験など様々な角度から判断して、採用するかどうか検討されます」

キャリアアップのために努力を続けている先生が多い

インターナショナルスクールの先生の中には同じ学校に長年在籍している先生がいる一方、短期間で他の学校に移動している先生もわりといる。

「数年など短期間で移動している理由は、結婚による転居などプライベートによることもありますが、多くは契約自体がそもそも1年や数年になっているケースです。間をあけずに次の就職先を見つけることが教員としての実績を積み上げることになり、昇給にもつながるため、キャリアアップをしながら移動をしていく先生が多いです。ちなみに新卒の先生は非常勤やアシスタントとして1年〜数年契約でキャリアを開始することが多いのですが、それでも一度インターナショナルスクールで働くと教員同士のつながりができるので、例えばある学校で欠員が出たときの募集情報などが入りやすくなるそうです」

窓口となる事務職員も高い能力が求められる

事務職員としてインターナショナルスクールで働く場合もネイティブ並みの英語力は不可欠で、同時に高い日本語力も必要だ。

「事務職員は日本人のことが多いです。学校の顔のひとりとして、入学希望者や在校生、保護者、業者などと接するため、日英バイリンガルとしての語学力とハイレベルなコミュニケーション能力、事務処理能力を求められます。即戦力として、外資系や留学系、旅行系など高い折衝能力を従い、英語を使う職種から転職される人が多いですね」

認可インターナショナルスクールでは、教員も事務職員も、英語力をはじめ高いスキルが求められる。実力勝負の世界だからこそ、様々なタイプの優秀な人材が集まっているといえそうだ。

お話を伺った方

『インターナショナルスクールタイムズ』編集長
村田 学 氏

インターナショナルスクール、国際バカロレア教育、英語教育など、子どもたちがグローバルに活躍するための教育情報を配信しているウェブサイト「インターナショナルスクールタイムズ」の編集長。国内のインター各校を調査や取材にもとづき、中立公正に紹介している。

HP:http://istimes.net/

インターナショナルスクールの先生にインタビュー!

キオ千佳先生

キオ千佳先生
西町インターナショナルスクール

【日本在住歴】25年
【教員歴】28年
【前職】ベルギーで日本語の教師としてキャリアをはじめ、アメリカでESLの教師として働き、上の子が3歳の時に日本に帰国。上の子は英語が第一言語で、下の子は日本語。異なる環境で育った子どもたちがどのように言語を身に付けていくのか、親としても教師としても興味深く見てきました。
【現在の仕事】日本語科主任で、中東部で日本語と日本の社会科を教えています。私自身が英語を話せるようになって世界が広がったので、日本語とESLの教師の資格を取りました。
【インターの先生になってよかったこと】多くの国や地域から集まったご家族、スタッフ。先生方と一緒に学べること。互いの文化と共存することを学んでいる生徒たちが将来どのように世界中で活躍してくれるのかと考えるとワクワクします。
【日本で好きな場所】富士山の威厳ある美しい姿を見ると心が落ち着きます。
【好きな日本食】お寿司!

pete-goodman先生
Pete Goodman(ピートグッドマン)先生
名古屋インターナショナルスクール【日本在住歴】来日3回で計11年
【教員歴】14年
【前職】ピースボートで世界中を航海した後、イギリスの現地校の先生に。その後フィンランドのインターで働いていました。
【現在の仕事】数学の教師として数学を好きになってもらい、数学の力、美しさ、応用力を知ってもらうことを目指しています。しかしそれ以前に、子どもたちの教師であると考えています。学校全体の教育と学習のコーディネーターもしています。
【インターの先生になってよかったこと】教えるということはパワフルなこと。新たな視点や考え方を学んでいる生徒たちのそばにいられることは刺激的です。
【日本で好きな場所】偶然見たお祭りから札幌の雪祭りのような有名なお祭りまで、九州の温泉、長野や新潟のスキー場、沖縄のビーチ、三宅島や佐渡ヶ島…そこで出会った人々との思い出が沢山あります。
【好きな日本食】博多ラーメンや混ぜそばに勝るものはありません。