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帰国子女教育情報|Q&Aでまるわかり!帰国後のインターナショナルスクールへの入学方法

Q.入るための試験はどんな内容なの?

A.書類審査、エッセイを含む筆記試験、面接が基本。英語力が試されます。近年はスクールカウンセラーによる適性検査を実施する学校も増えています。(石塚氏)

どの審査でも高い英語力が必須に

インターの(編)入学試験の3本柱は書類審査、エッセイを含む筆記試験(学科試験、またはコンピューター上で受ける学科のテスト「MAPテスト」)、そして面接だ。どの審査でも肝になるのは英語力だという。

「すべての試験で学年相当のネイティブレベルの英語力が必須です。意外と多いのが、書類審査の志望動機欄や面接でインターを志す理由を『海外で磨いた英語力をさらに伸ばしてほしいから』とすること。これはタブーです。なぜなら言語の授業を除けば、ご存じの通り、インターは“英語で学ぶ場所”であって“英語を学ぶ場所”ではないからです。英語力の判断材料として重視されるのは筆記試験に含まれるエッセイ。エッセイを読めば、その子の大体の英語力がわかると言われています」(石塚氏)

近年は適性検査の実施校も増えている

また石塚氏によると、近年ではこうした3つの試験に加えて、(編)入学後にスムーズな学校生活を送れるかどうかを見るための適性検査を実施する学校も増えているという。

「適性検査とは、受験する子どもたちを教室などで自由に過ごさせて、自然な状態での様子を観察したり、子どもと試験官との会話のなかで言葉遣いや本人の家庭での様子、家での教育方針などを把握・考査したりするものです。子どもの精神状態などを総合的に確認するため、主にスクールカウンセラーが担当します」(石塚氏)

次ページからはインター5校に尋ねた(編)入学試験(書類審査、筆記試験、面接)の傾向を列挙。参考にしてみてほしい。

【体験談】我が子の入試準備はこうだった!

(編)入試に向けてしたことは?

面接の練習 41%
特に準備しなかった or 準備時間がなかった 32%
英語の勉強 18%
その他 9%
  • 現地での学校の勉強に重点を置き、授業にしっかり取り組ませていた。放課後と週末は本人たちの希望でサッカーをやっていたので、補習校や塾などには通わせていなかった。(シンガポールのインターからお子さんたちが中2・高1・高3時に編入学したE・Mさん)
  • まだ小さかったからか筆記試験などはなく、成績表と英語面接のみだった。面接の練習だけはした。(アメリカの現地校からお子さんが小1時に編入学したM・Cさん)

【実例】書類審査

成績表だけで落とされることも…志望理由や校外活動記録も大事

「学校によってまちまちですが、書類とは主に願書、現地の学校での成績表、先生の推薦状などのことを指します。現地の学校での成績表は特に重要視されることが多く、求める基準に達していなければそれだけでお断りされてしまう場合もあります」(石塚氏)

また、願書のなかでカギになるのは志望理由と校外での活動履歴だという。

「志望理由が教育理念とマッチしているかは大事です。また、ボランティアなど校外で活躍した場合は高評価につながるケースが多いのできちんと書くようにしましょう」(石塚氏)

Aoba-Japan International School
学年にもよりますが、高学年になればなるほど英語力は必須に。特にG9以上は英語力アップのサポートがないため、サポートなしでカリキュラムについて行ける英語力が最低条件です。その上で成績や推薦状、そして生徒の経験などを見ます。
大阪YMCAインターナショナルスクール
成績表、推薦状、学校歴などを見ます。高学年になるほど英語力の有無が影響します。
Christian Academy in Japan
成績がすべてではなく、児童・生徒の個性を尊重して一個人として見るため、具体的な指針はあえて設けていません。
COLUMBIA INTERNATIONAL SCHOOL
学校の成績表(教科の評価と教師のコメント)を見ます。生徒と保護者から本校を志望する理由も書いていただき、教育方針と照らし合わせます。
学校法人名古屋国際学園(Nagoya International School)
「本校以外に(編)入学先があるかどうか」「本校のミッションや方針を理解しているかどうか」「本校が児童・生徒の将来にとって適しているかどうか」の3点を確かめます。筆記試験などの学力テストを実施しないため、過去2年間の成績表と先生からの推薦状で学力を審査しています。

【実例】筆記試験

エッセイで学年相当の英語力を測定「MAPテスト」を実施する学校も

筆記試験を行う学校では、(編)入学する学年相当のEnglishとMathのテストを各1時間程度で行うのが通例だ。

「Englishのカギはエッセイ。同じ言葉を何度も使わない、学年のレベルより稚拙な文章は書かないといったことが大事です」(石塚氏)

筆記試験の代わりに、パソコン上で問題を解くMAPテスト(Measure of Academic Progress。主にMath・Reading・Language Usageの試験)を実施する学校も。世界中のインター生が受けるものなのでスコアを比較しやすく、(編)入学時の学力の判断材料にされやすい。

Aoba-Japan International School
面接時、もしくは後日、英語のアセスメント(Reading, Writing, Speaking and Listening)を行います。
大阪YMCAインターナショナルスクール
英語でリテラシー、数学的思考のアセスメントを行います。
Christian Academy in Japan
幼稚部からG2には学習レディネスのためのテスト、G3からG8にはMAPテストとエッセイ、G9以上には数学とエッセイの試験を行います。
COLUMBIA INTERNATIONAL SCHOOL
エッセイの試験を行います。
学校法人名古屋国際学園(Nagoya International School)
英語力のみ、Reading, Writing, Speaking and Listeningの4技能を審査します。該当学年の授業についていくために、どれほどの英語のサポートが必要かの審査をします(基本的に、日本語を話す生徒はサポートなしで該当学年の授業についていける英語力が必要です)。

【実例】面接

チェックされるポイントは我が子の“軸”や素の家族関係

子どもだけの面接、親子面接、親だけの面接など、学校によって異なる。面接方法は対面、インターネットによるTV電話など。総じて和やかなムードで行われることが多いので肩に力を入れすぎず、次の2つのポイントを抑えて親子で練習してみよう。

1つ目のポイントは、我が子の“軸”。

「これまで何に興味を持ち、どのように考え、どんなふうに行動してきたのか。自分史を振り返って軸がどこにあるのかを客観的に伝えられると『本校に入ってからも、その分野で一生懸命学んでくれるはず』と感じてもらえるでしょう」(村田氏)

2つ目のポイントは“家族”(親子面接の場合のみ)。家庭の教育方針や素の家族関係だ。

「親子面接中の面接官は、子ども(幼児)が動き出したり、面接官と保護者の会話に割り込んだりしても、その場では注意しないもの。そういったときに保護者が子どもにどう対応するかで教育方針や家族関係、ひいては子どもの人物像を見たいからです」(石塚氏)

ちなみに面接での保護者側の受け答えの評価ポイントは「父親と母親双方が質問に一貫性を持って答えられること」だという。家族で考えを共有、統一しておこう。

Aoba-Japan International School
生徒によくする質問は「教育には、学校(先生)、保護者、そして児童・生徒本人の三者が関わります。そのなかであなたの教育において最も責任があるのは、その三者のうちの誰ですか」です。面接を、書面上で知ることのできない生徒や家族のことを知る機会ととらえています。
大阪YMCAインターナショナルスクール
保護者のみの面接を実施し、今後の進路希望(英語圏での進学、日本での進学など)と、本校のカリキュラム・方針についての理解度を確認します。ご本人の日頃の様子を伺う場合もあります。海外在住の方にはスカイプ・インタビューを実施します。
Christian Academy in Japan
年間を通して児童・生徒を受け入れていて、(編)入学手続きを速やかに進めるようにしているため、面接を大事にしています。児童・生徒には「自分が好きなこと、嫌いなこと」を尋ねます。
COLUMBIA INTERNATIONAL SCHOOL
本校の目的(目標、理念など)と環境を知っていただき、本校で生徒と保護者の目的や目標の達成ができそうかを確認します。また、生徒と保護者の心配事にもお答えします。面接の場を、できるだけ覚悟をもって(編)入学をしてもらうための“セッション”と捉えています。
学校法人名古屋国際学園(Nagoya International School)
「ご家族のバックグラウンドや滞在先での経験」「得意な科目」「IB教育で学ぶ意思」。この3点を主に伺います。

【体験談】我が子の面接で印象深かったこと

  • 海外滞在中にスカイプで面接を受けた。時差があるにもかかわらず子どもたちが登校する前の時間を選んでくださり、面接官の先生も聞き上手だった。おかげでのびのびと答えられて、終始笑顔の面接になった。(シンガポールのインターからお子さんたちが中2・高1・高3で編入学したE・Mさん)
  • スカイプ面接。たまたまネットの調子が悪くて大変だった。(ポーランドのインターからお子さんが高1時に編入学したT・Mさん)
  • 面接中に先生が将来の夢などを聞いてくれた。子どもの自覚を促すいい機会に。(シンガポールのインターからお子さんが高2で編入学したT・Sさん)
  • 最終学年への編入ということで、大学進学へ向けた考え方や選択科目に関する説明などをしっかりとしていただけたので、面接は実質、入学後の進路指導のようなものだった。非常に親切な対応をしていただけてありがたかった。(ペルーのインターからお子さんが高3時に編入学したT・Fさん)