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多様性とリベラルアーツが 新たな視点を生み出す 国際基督教大学(ICU)

国際基督教大学(ICU)

創立時からリベラルアーツ教育に力を注いできた国際基督教大学(ICU)には、帰国生や海外からの留学生など、多様なバックグラウンドを持つ学生が集まる。

その教育の特色と入試についてアドミッションズ・センター長の森島泰則教授に話を伺った。

幅広い視野で物事をとらえ、批判的に考える力を養います。これは、知識を統合して理解する教育手法です。

–貴学の大きな特色であるリベラルアーツの学びについて教えてください。

本学では、1、2年次に文系や理系といった区別なく、幅広い分野の科目を学んだ後、専門の学びを深めていきます。様々な分野の学問に触れることで視野を広げると同時に、幅広い視野で物事をとらえ、一つの考え方にとらわれず批判的に見直して考える力を養います。

アップル社の設立者スティーブ・ジョブズは「我々はテクノロジーとリベラルアーツの交差点にいる」という言葉を残しています。これは、魅力的な製品をつくるには、技術力に加えてリベラルアーツで得られる視点が不可欠だということ。つまり、リベラルアーツで学ぶことによって、実社会でもコアとなる能力、新しいものを生み出す考え方を修得できるのです。

–リベラルアーツ教育とメジャー制度についてもお聞かせください。

本学では入学時に専門を決めず、2年次の終わりに、文理にわたる31のメジャー(専修分野)の中から決めます。メジャーを決めたあとも、それ以外の学問分野も学ぶことができます。他の分野にも触れることで視野が広がり、専門分野の学びをさらに深めている学生も多いようです。

–少人数教育にも力を入れられていますね。

はい。本学では少人数による双方向のアクティブな授業が中心です。グループワークやプレゼンテーションなどを通じて、学生と教員、学生同士のコミュニケーションを深め、互いが刺激を受けあい、思考を深めます。

–バイリンガリズムもICUの特長のひとつですね。

本学の公用語は日本語と英語で、授業も日英どちらかの言語で開講されています。語学プログラム以外はどの科目も、帰国生や留学生といった言語背景による区分けがなく履修できます。また、学生全員が日本語、英語のいずれかの言語プログラムを履修します。主に英語を母語とする学生には、学内外で必要となる日本語能力や日本語で授業を受けるスキルを身に付ける「日本語教育プログラム」を提供しています。一方、主に日本語を母語とする学生が対象の「リベラルアーツ英語プログラム」では、英語力を向上させるとともに、本学で効果的に学ぶための思考力と技術を養います。

様々なバックグラウンドを持つ学生が集まる本学のキャンパスで学ぶことが、まさにグローバルな体験であるわけです。

–帰国生対象の入試制度について教えてください。

「ユニヴァーサル・アドミッションズ」では、世界のいろいろな場所で学んできた、多彩なバッググラウンドを持つ学生の入学を期待しています。まず、「4月入学帰国生入学試験」は、日本語で授業を受けられる力をもつ生徒を対象に、英語の成績、日本語による小論文と面接を課します。

「4月/9月入学書類選考」は、主に英語で教育を受けてきた学生を対象とし、英語による出願書類によって選考し、日本語能力は問いません。

–ICUが求める学生の資質は?

本学のリベラルアーツを中心とした学び方に興味を持ち、魅力を感じている学生、そして様々な個性を持った学生にぜひ入学してほしいと思っています。帰国生はグローバルな環境で育ったと思われがちですが、多くはある地域のローカルな人々の中で生活しており、必ずしも異文化が交わる社会で生きてきたわけではないかもしれません。本学には、様々な国や地域で学んだ背景を持つ学生が集まってきます。そのようなキャンパスで学ぶことが、まさにグローバルな体験といえます。多様な教員、学生との関わりの中で、様々な価値観に触れ、視野を広げてほしいと願っています。

Admissions Policy(入学者受け入れ方針)

  • 文系・理系にとらわれない広い領域への知的好奇心と創造力
  • 的確な判断力と論理的で批判的な思考力
  • 多様な文化との対話ができるグローバルなコミュニケーション能力
  • 主体的に問題を発見し、果敢に問題を解決してゆく強靭な精神力と実行力

国際基督教大学(ICU)のユニヴァーサル・アドミッションズ

4月入学/9月入学書類選考

ICU seeks to admit students irrespective of nationality who can strive academically and personally at ICU, in line with its goal to cultivate responsible global citizens. Applicants undergo a documentary screening process, including the submission of standardized test scores, such as the SAT, ACT, or IB. Admissions is based on holistic criteria with the goal to identify students who are able to perform at a superior level in a liberal arts environment. Moreover,coming from diverse educational and cultural backgrounds, students are expected to enrich the ICU student body with different and innovative ways in which to meet the challenges of the new global age.(英語による書類選考)

出願資格 日本または外国の学校教育における通常の12年以上の課程を修了した者および修了見込みの者、またはこれに準ずる者。
願書受付 (4月入学)8月〜10月
(9月入学)1月〜3月

※教育を受けた国、制度によって出願条件、必要書類などが異なります。詳細は募集要項をご覧ください。

4月入学/9月入学書類選考転編入学制度

出願資格 日本または外国の大学の正規課程に1年以上在学した者、または短期大学を卒業した者。(見込みを含む)

4月入学帰国生入学試験(2018年度実績)

出願資格 十分な日本語能力を持ち、なおかつ自らの海外経験をリベラルアーツにおいて生かし開花させる資質を持つ学生を広く求めています。帰国生の持つ多様な背景や価値観が、国際性への使命を掲げるICUの新たなダイナミズムを生み出す原動力となってほしいと願っています(日本語による試験)。
試験科目 英語(IELTS、TOEFLまたはケンブリッジ英検の公式スコア)、小論文(日本語による記述式)、面接(グループディスカッション)以下の条件を全て満たすことが必要です。

  1. 外国の教育制度で中・高等学校を通じ2年以上継続して教育を受けた者。
  2. 2016年4月1日から2018年3月31日までに、国内外を問わず、当該国の学校教育における通常の12年以上の課程を修了(見込含む)の者。
試験日 2017年9月16日

その他の入学者選抜制度についてはWEBサイトを参照の上、アドミッションズ・センターにお問い合わせください。

プロフィール

森島泰則
森島泰則氏
アドミッションズ・センター長/教授(心理学)コロラド大学院から博士号取得。在米日系企業研究員、スタンフォード大学客員研究員、国際基督教大学アカデミックプランニング・センター長を経て、2015年アドミッションズ・センター長に就任。現在に至る。