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塾のオンライン授業|賢い活用術 不安解消Q&A

双方向型とオンデマンド型、それぞれの特徴を知る

世界中がコロナ禍となり移動制限措置や休校措置が取られたことを機に、オンライン授業開始に乗り出す塾が増えている。一方で、「自宅できちんと学習できる?」と不安に思う保護者も多いだろう。オンライン授業は双方向型とオンデマンド型に分かれるが(下記参照)、駿台国際教育センターの大藪博史氏によると、子どもの年齢や意欲によって向き不向きがあるという。

臨場感を味わえる「双方向型」 いつでも視聴「オンデマンド型」
決められた時間にオンライン授業に参加し、ライブで講師が授業を進める形式。塾に通っているのと同じような感覚で受講できる。 録画した授業の動画を配信する形式。好きな時間に視聴できるので、時間を有効活用できる。わからない部分を繰り返し聞くことも可能。

「小学生には双方向型が向いています。講師が子どもたちの様子を見ながら授業を進めるので集中しやすいからです。高校生以上や、小中学生でも受験間近の勉強への意欲が高いお子さんは、受けたい授業と都合に合わせて選ぶとよいでしょう」

準備は?メリットは?不安解消Q&A

Q, 事前に保護者が用意すべきものと心構えは?

A, インターネットが使える環境(Wi-Fi)、パソコンやタブレット、そして用紙を出力できるプリンターが必要です。プリンターは案外、使う頻度が高いです。宿題やテストを家庭で出力し、児童・生徒が答えを書き込み、スキャンしたデータを講師に返送するためです。スキャンについてはスマートフォンで撮影した画像でかまいません。オンライン授業の場合、子どもの年齢が低いほど受け身になりがちなので、保護者がそばにいて授業をきちんと聞いているか確認することも大切です。放置してしまうのはよくありません。

Q, 双方向型とオンデマンド型それぞれのメリットは?

A, 双方向型はリアルタイムで授業を行うため、近所に塾がない場合やコロナ禍で外出ができない場合でも塾と同じ授業を受けられることがメリットです。オンデマンド型は勉強意欲の高いお子さんの繰り返し学習に利点があります。このほか、オンライン授業が普及したことで、時差の少ないエリアごとに、各校に数人程度の極めて成績が優秀な生徒たちを一堂に集めてより高度な内容の講座を開講できるようになりました。今いる場所の垣根を超えて、刺激しあいながら学習していけることも大きなメリットです。

Q, オンラインできちんと勉強させるためには?

A, 中学受験を目指す小学生や高校受験を控えた中学3年生は、オンライン授業でも集中して取り組めているようです。一方、受験をしない小学生や中1、中2の生徒は、オンライン授業中もゲームをしていたり、ということが少なくありません。そうしたことを防ぐには、独立した子ども部屋ではなく、リビングなど保護者の目が届くところで授業を受けさせるとよいでしょう。また、塾側は宿題や小テストを通じて理解度を確認しているので、課題はきちんと提出するようにフォローしてあげてください。

お話を伺った方

駿台国際教育センター 統括部長 大藪博史(おおやぶ・ひろし)氏
駿台のすべての海外校の開講準備に関わり、シンガポール、中国・上海、ドイツ・デュッセルドルフ、アメリカ・ニューヨークに計18年滞在。現在は、日本にて、帰国子女の教育に関わっている。
HP:https://www.sundai-kaigai.jp/kokusai/