Press "Enter" to skip to content

School fashion通信|性別に関係なく自由に選べる制服へ

今回のテーマ「ジェンダーレス制服」

 ジェンダー平等を実現するための活動が広がる中、日本の学校制服も変わってきている。学生服メーカー「トンボ」では、2015年からジェンダーレスをテーマとした制服の開発に取り組んでいる。商品企画担当・森下あゆみ(もりした・あゆみ)氏に聞いた。

「トンボ」の『ジェンダーレス制服』のポイントは3つあります。1つは、アイテム数を増やして”選択肢を増やすこと”。2つめは、女性らしさが強調されないシルエットにするなど”性差を感じさせないデザインにすること”。そして3つめは、”多様な性を受け入れるための環境づくり”です。LGBTQ+を知ってもらうための勉強会や講演会も行っています。

ジャケットとスラックスはI型※(一般的な男子体型用)とⅡ型※(一般的な女子体型用)がある。スカート、ネクタイ、リボンなどのアイテムがあり、性別問わず組み合わせ自由
※…Ⅰ型、Ⅱ型は名称の一例。

ジャケットは体型別で細部が異なる

すべて同デザインに見えるジャケットだが、Ⅱ型(一般的な女性体型用)の前合わせは右身頃が上になっていて、肩や腰のラインも女子の骨格にほどよく沿うパターンを採用。

ジェンダーレスなブルゾン風ジャケットも

シャツの上に、ジップで開閉するジャケットを合わせたスタイル。前合わせを気にしなくてよいのが特徴。

ボトムスはユニセックスなチェック柄で統一

女子の制服(スカート)では一般的に大きめのチェック柄が人気だが、ジェンダーレス制服のボトムは誰でも着やすいような共通のチェック柄になっている。

骨格に合わせたパターンで着心地よく

Ⅱ型スラックスの着用時のシルエットはⅠ型と差があまり出ないようにしつつ、腰回りにゆとりを持たせるなどパターンに工夫をして着心地や動きやすさも追及。

Ⅱ型スラックスの採用校は2年で2倍以上

Ⅱ型(一般的な女子体型用)スラックスの採用校は年々増加。今年度の新規120校の内70%以上がLGBTQ+への配慮から採用を決定

 女性のパンツスタイルが一般的になったことや防寒の観点から、女子生徒のスラックス導入校は年々増えている。一方で、トンボでは男子生徒のスカートは用意していない。

「制服のスカートのほとんどはプリーツでスラックスと違い身体のラインに沿ってできているわけではなく、骨格関係なしに履くことができるため、あえて男子用は作っていません。弊社としては性の多様性に対応しつつ、すべての生徒が心地よく着られる制服を作ることを追求したいです」(森下氏)