アカペラ歌手の元交換留学生が英語で歌う
ソフィー芸術出版株式会社がこの2月に子ども向け「外国語レッスンソング」の第1弾として「英語レッスンソング」の配信をスタートした。「r」の発音の練習になる「Berry! Berry! Berries!!」や朝のあいさつの歌「Good Morning!」、おやすみのあいさつの歌「My Magical Sky.」などをリリース。同社代表取締役で作詞家でもある榊原智子（さかきばら・ともこ）氏がプロデュースし、「英語レッスンソング」の歌詞はベテランのカナダ人英語講師が担当、作曲と編曲はJ-popやアニメなどの曲で活躍している日本のヒットメーカーが手掛けている。
3月掲載の記事＜作り手に聞く＜１＞＜２＞では、榊原智子氏にプロジェクトへの熱意やリリースまでの経緯を伺ったが、その中で、歌唱はネイティブに近い発音ができる日本人の若手ボーカリストに依頼をしたというお話があり、メインボーカルを務めた「はつみ」氏（上の写真がはつみ氏）とコーラスとして参加した「ぴなつ」氏はともに元交換留学生であることがわかった。そこで今回は、ボーカルの二人に英語レッスンソングに参加した感想や海外留学時の話などを取材した。
はつみ氏は、アカペラグループRabbit CatとしてYouTubeやTikTokを中心に活動中。ぴなつ氏は、東京大学大学院に在学中でアカペラグループLimerickに所属している。同年齢の二人だが、それぞれ高校1年生の夏から1年間、アメリカの公立高校に留学した経験をもつ。
――今回のプロジェクトに参加した経緯と、子ども向けの英語学習曲を歌ううえで心がけたことを教えてください。
はつみ：高校時代にボイストレーニングを受けていた先生が榊原さんとお知り合いで、声をかけていただきました。「My Magical Sky.」という曲では、ネイティブの先生に「Good Night」の「Good」の発音が少し違うと指導いただき、何回もとり直しました。たくさんの動物たちが出てくる場面では、少し声色を変えるなど表現の工夫をしました。とても楽しい経験でした。
ぴなつ：英語で歌える男性ボーカルの声が必要とのことで、はつみから誘われて参加しました。僕もネイティブの先生から発音指導を受けて、何回かやりとりをしました。歌うときには、感情がよりわかりやすく伝わるように少しオーバーな表現を心がけました。配信されたときは嬉しかったですね。
アカペラアプリで“一人ハモリ”にはまった高校時代
――お二人とも現在はアカペラグループで活動されていますが、歌や音楽はいつから始めたのでしょうか？
はつみ：3歳からバレエを17年間続けていたので、クラシック音楽には日々親しんでいました。 小学生からピアノを7年間習い、中学校では吹奏楽部でホルンを、高校2年生からボイストレーニングを 3年間行いました。小学生の頃から自分の歌声を携帯電話に録音してそれに合わせて歌う“一人ハモリ”が好きだったのですが、高校生の時に自分の声を多重録音するSNSアプリと出会い、そこからアカペラにはまりました。青山学院大学時代にアカペラサークルに入って自分以外の人とハモる楽しさを知り、卒業後は現在のグループで活動しています。
ぴなつ：4歳からピアノ、12歳からギターを弾いていて、即興演奏をするなど自由に音楽を楽しんでいました。実は僕も高校時代にその多重録音のアプリに出会い、一人アカペラを楽しんでいたんです。当時、そのSNSアプリを日本人でやっている人は少なくて、僕のフォロワーが1万人弱になって「やったぜ！」と思っていたら、1万人を超えている女の子がいて、それがはつみでした。それを機に仲良くなったんです。たまたま同じ時期にアメリカ留学していたこともわかりました。その後、僕は東大のアカペラサークルに所属して、大学院で研究をする傍らで歌も楽しんでいます。
留学時代の経験など続きは明日掲載の＜４＞へ。
（取材・文／中山恵子）
●「英語レッスンソング」視聴リンク
・配信 https://www.tunecore.co.jp/artists/sophy_kids
・販売 https://music.apple.com/jp/artist/sophy-kids/1661769983
・YouTube https://www.youtube.com/@sophykids
