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先輩からのメッセージ 帰国体験記|法政大学国際高等学校 2年生 R・Yさん(17歳)

法政大学国際高等学校 2年生 R・Yさん(17歳)

※2022年7月インタビュー当時

渡航歴

時期 場所 学校
0歳~5歳 アメリカ・ジョージア州 現地校
5歳~7歳(G1) アメリカ・オレゴン州 現地校
7歳(小1)~現在 日本公立小学校→公立中学校→私立高等学校

同じ温度で接することで、人と仲良くなれた

 アメリカ人の父と日本人の母をもつR ・Yさんはアメリカのジョージア州出身。日本で生活を始めたのは7歳の頃だ。

「自分と5歳年下の弟はアメリカ生まれなのですが、その下の弟が誕生することになったとき、父が『3人ともアメリカ生まれはつまらない』と言い始めたんです(笑)。それと、『日本にいる母の両親のことも心配だから』という理由で日本に引っ越してきました」 

5歳頃、父親と一緒に行ったキャンプ場にて。「スモア(キャンプファイヤーでの定番デザート)を食べたり、とても楽しかったです。」

 小学1年生の後半に、神奈川県の公立小学校に転校したときは、自主性を重んじるアメリカと、協調性を重んじる日本の文化の違いに驚いたという。しかし、持ち前の前向きさで環境にはすぐに順応した。

「ジョージアにいたときから、人との交流に対しては積極的でした。アジア人が一切いないエリアに住んでいたので、幼いながらに自分は浮いていると感じていたんです。でも、人と関わることにおもしろさを感じる子どもだったので、自分から人に近づいていくことには慣れていて。相手と同じ温度で接してみると、たいていは受け入れてくれます」

経験豊富な仲間たちと関われて刺激的な毎日

 日本に住み始めてからも、年に1、2回はアメリカを訪問。2カ国の違いを体感し、貴重な経験を味わっている。

「両方の国に住んでいる人の考え方を知ると、人によって、見えている世界は全然違うんだなと思うことがよくあります。そうやって客観視できるようになったのはプラスです」

6歳の時に一時帰国し、母方の祖父母と自分の家族で日本の田舎のお祭りへ。日本文化を初めて味わった。

 しかし、中学生の頃は、日本で自身の価値観を全否定されるような感覚も味わったという。

「髪を刈り上げることが校則で禁止されていたんですが、それが嫌で、特にその髪型にしたいわけではないのに、抵抗するために刈り上げにしたんです。そうしたら先生に『丸坊主にしてこい』と言われて……。あのときは、すごいことを言うなあと思いました。とはいえ、坊主頭にしたらすごく楽で、気に入って半年間は坊主頭だったんですけど(笑)」

 現在通う法政大学国際高等学校のIBコースを知ったのは、中学2年生の頃。通っていた塾主催のIBの説明会に、両親に行くよう勧められたのがきっかけだ

「せっかく英語が話せる環境で育っているのだから、その力を活かせる場所に行くといい、と。自宅から片道1時間半もかかるので大変ですけれど、入学して本当によかったと思っています。先生方は生徒の考えを尊重してくれて、授業は自分で思考する内容が多く、やりがいがあります。たとえば、歴史の授業では、歴史上の出来事について『国の責任はどの程度あるだろうか』などと考えたり。コンピューターには任せられない、思考力が問われる授業が多いです。それに、帰国子女をはじめ、いろいろな経験を積んできた人たちと関われるのも刺激的です」

暑い日に、愛犬と家の近くの川に遊びに行った時の一枚。

デジタル研究同好会を発足させてアプリを開発

 興味があることには何でも挑戦。生徒会役員を務めるとともに、昨冬には自ら「デジタル研究同好会」を発足させた。

「この同好会の存在は、自分にとってとても大きいです。今は仲間と、自習室の混雑度がわかるアプリを作るなど、生徒にとって便利なことを開発中です。実は、小学生のときに自分でYou Tubeを配信していたことがあって、この頃から、思いを込めて作ったものが評価されることに驚きと喜びを感じていました」

 将来も、何かを作る仕事に就きたいと考えている。

「冗談半分で、同好会のメンバーと『起業しようか?』という話もしています(笑)。今の段階で決めているのは、卒業後は英語圏の大学に進学すること。そして様々な考えをもつ人と交流して有意義な人生を送りたいと思っています」

親への感謝

まずは、親がいなければ今の自分は存在しないので、そのことに感謝しています。それから、両親ともに自分自身の考えをはっきり持っているので、いつも刺激を与えてくれます。自分もひとりの人間として考えをしっかり持ち、興味があることにどんどん挑戦していきたいです。