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児童・生徒・学生を対象にした起業支援制度が登場

求人情報サイト「バイトル」「はたらこねっと」などを運営するディップ株式会社は、2019 年4 月より小学生から大学院生までの児童・生徒・学生を対象に起業支援を行うプログラム「ガクセラレーター」を開始。学生限定の起業支援プログラムは日本初であり、かつ、小学生までを対象範囲に含めるというのは画期的だ。

審査を通過した者に対しては、同社がもつノウハウやネットワークを活かして、3 カ月の経営・業務支援をはじめとした、出資支援、営業支援、就職支援を行う。出資支援はなんと最大1億円だという。仮に事業に失敗したとしても、就職支援というセーフティネットが用意されているのも安心だ。現在(1~3月)は第3期として審査を通過した企業や起業前の個人・チームを支援中。

各期とも、期間終了後に支援を受けた企業や個人・チーム数十グループが集まる「成果発表会」が開催され、それぞれ事業のプレゼンテーションを行い、特に優秀なプレゼンテーションに対しては表彰が行われる。表彰された企業・個人・チームは、更なる資金調達が可能になるほか、専門家からのアドバイスも受けられるという特典つきだ。昨年11月14日には第2期の成果発表会が行われた。

第2期最優秀賞は上智大生が展開する事業、特別賞は駒込高校生が開発中の事業

最優秀賞には、自社でアンマッチだった人材を会社間で推薦しあえるプラットフォームを提供する「HRport」を運営する株式会社tabecoが選ばれた。代表者の森海渡(もり・かいと)さん(上智大在学中)が高校在学中から取り組んでいた人材紹介事業の経験を活かして革新的なビジネスモデルを生み出した点、加えて、プログラム期間中にスピード感をもってビジネスモデル検証を繰り返した点が大きく評価された。

特別賞には、生徒・学生のボランティア活動を信用スコア(※)に変えるボランティア・マッチングアプリ「Lyglee(リグリー)」を開発中の軍神未来(ぐんしん・みらい)さん(駒込高等学校理系先進コース在学中)が選ばれた(起業前のため、会社でなく個人の選出)。社会課題の解決とビジネスの両立をうまく実現させようとしている点が評価された。

※信用スコア
個人のデータを収集し、数値化して、個人の信用度合いを示したもの。アメリカや中国で広く普及しており、クレジットカード取得の可否やローン審査、部屋の賃貸、さらには就職活動にも影響を与える。日本でも、貸金業を開始したLINE株式会社や株式会社NTTドコモといった移動体通信事業者が信用スコアを活用したサービスの展開に乗り出すなど、広がり始めている。

学生起業家同士のコラボレーションで新サービスを世に広めていく

ディップ株式会社・ガクセラレーター校長の山根弘成(やまね・ひろのり)氏は「ガクセラレーター」運営の意図について次のように語る。

「2012年の政府統計では、学生起業家が以前より減少傾向にあるとされました。しかしディップは、資金を含めたバックアップ支援、きっかけやチャンスを提供することで、社会に貢献する企業を若い人材が作っていけると考え、2014年から2017年にかけて事業開発体験インターンや新規事業開発プログラムの支援を行ってきました。

それをさらに発展させ、小・中・高・専・大・院と、学校の種別を問わずあらゆる学生スタートアップに対象を広げたのが『ガクセラレーター』です。今後の展開としては、ガクセラレーターに集まった学生起業家たちのサービスをコラボレーションさせ、『学生起業家による新サービスの総合商社』を作りたいと思っています。

現代は、ベテラン起業家であっても1人のアイデアでサービスをヒットさせることが難しい時代になり、各社、事業提携や協業という形で新サービスを世に広めていく動きが活発になっています。学生起業家においてもこうした動きに乗って新サービスを世に広めていくことが重要です。

2020年はさらに支援を強化し、学生起業家同士のコラボレーションにつながるプログラムとして『ガクセラレーター』を成長させていきます」

(取材・文/大友康子)

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