Press "Enter" to skip to content

2023年卒・新卒採用に関する企業調査・後編 ~約9割の企業が売り手市場を実感~

新型コロナウイルス禍での採用戦線も3年目を数えるが、コロナ後の需要回復などを見越し、企業の採用意欲は回復基調が見られる。6月1日の採用選考解禁から約1カ月が経過し、2023年卒者の就職活動は最大のヤマ場を越えたいま、採用活動の状況はどのようになっているのか。その進捗を確認すべく、『株式会社ディスコ』(本社:東京都文京区)が、運営する「キャリタス就活」の掲載企業をはじめ、全国の有力企業を対象に調査を行った。また、2024年卒の採用計画についても尋ねている。

調査対象 全国の主要企業16,125社
調査時期 2022年6月27日~7月5日
調査方法 インターネット調査法
回答者数 1,208社
調査機関 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

7月時点で採用活動を継続している企業は全体の74.4%

これによると、7月の調査時点で採用選考を「終了した」企業は全体の25.6%。前年同期調査(29.8%)、さらにはコロナ禍での進捗が遅れていた前々年(26.0%)をも下回った。面接や内定出しのタイミングは早まったものの、現在も採用活動を継続している企業が大半を占める。

採用予定数に対する内定者の割合、いわゆる「充足率」の平均は58.0%。従業員規模が大きいほど充足率も上がり、中小企業では約5割(51.7%)であるのに対し、大手企業では67.2%と、その差は15ポイント以上にも上る。

業界別では、終了率同様に「金融」が高く、70.5%と唯一7割台に達している。一方で、「サービス業」はの充足率は51.1%。その差は実に20ポイント近くにも及ぶ。なお、採用継続企業に限って充足率を出してみると、46.6%と半数に満たず、今後「充足は難しいだろう」との回答が4割を超えている(44.6%)。

内定者に対する満足度は「量に不満」が66.7%

現時点の内定者に対する満足状況を、質と量(人数)の観点で尋ねた。「質・量ともに満足」は全体の約2割(21.5%)。前年調査より7.5ポイント減少し、満足度は低下した。「質は満足だが、量に不満」が最も多い(42.8%)。「質・量ともに不満」(23.9%)を合わせると66.7%に上り、量に対する不満が強いことが分かる。母集団の減少、内定辞退の増加などが大きく影響していうと見られる。

今期の採用市場をどのように見ているのか、見解を尋ねたところ「完全に売り手市場だと思う」という回答が前年調査(12.8%)から大幅に増加し、4割を超えている(42.3%)。「やや売り手市場だと思う」と合わせると9割近くに上り(計87.0%)、コロナ禍前(2020年卒以前)に近づいた。

なお、2024年卒者の採用見込みについては「増える見込み」(16.5%)、「2023年卒並みの見込み」(56.7%)を合わせると、7割の企業が今期以上の採用を予定(計73.2%)。「減る見込み」は3.4%とわずかだった。

事業拡大や人手不足解消等に加え、2023年卒採用で充足できない分を補完したいと考える企業も少なくないのだろう。採用者数の増加に伴い、採用予算にも増加傾向が表れていた。

【2024年卒者の採用見込みについて】

  • 売上が回復してきたことに伴い、採用人数を増やす。<エンターテインメント/中小>
  • 今年度採用目標が未達成になると思うので、その分2024年採用が増える見込み。<自動車・輸送用機器/中堅>
  • 中途採用市場も年々厳しい状況にある中、人財確保を新卒で充当したい。<印刷・パッケージ/大手>
  • 業績が安定しているので、新卒も毎年ほぼ同じペースで採用しております。<専門商社/中堅>

(取材・文/松井さおり)