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近ごろ人気のロボット教室・プログラミング教室って?第2回

なぜ近年、子ども向けのロボット教室やプログラミング教室が増えているのか?

その背景や目的について「STEM QUESTスタジアム」など主に子ども向けプログラミングイベントのプログラムを監修している「特定非営利活動法人東京学芸大こども未来研究所」の専門研究員・木村優里(きむら・ゆうり)氏に取材をした。

第1回では、これからの社会では新しい価値や仕組みを生み出せる人材が必要になることや、そのためには「正確に指示を出す、順序立てて物事を進める」といったことを学ぶプログラミング教育が役立つことなどを伺った。

今回は、その話に続く第2回目となる。

新しい時代を乗り切るための力を育てるのがSTEM教育

――「ロボット教室」、「プログラミング教室」と名前こそ違いますが、どちらもプログラミング教育を学ぶ場所だということですね。

木村氏:はい。教室によって例外はあるかもしれませんが、どちらもこれからの新しい時代を生きていくために必要な能力を身に付けることが目標です。ただ、今まではロボットやプログラミングと言った方が一般的にイメージしやすいのでそういった名前を使っていましたが、これからはSTEM(ステム)という言葉が広まっていくと思います。
STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(エンジニアリング)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉で、これらを総合的に進める教育をSTEM教育といいます。実用的なものや仕組みをつくりだす「エンジニアリング」の活動を通して、実験や観察をもとに法則性を見出す「科学」、最適な条件や仕組みを見出す「技術」、数や量を表したり使いこなす「数学」を学び、応用・活用していくことで、新しい社会を生き抜くための探求力や創造力を身に付けることができます。
こうした力を身に付けるひとつの手段として、ロボットを組み立ててプログラミンで動かす、といったミッション(課題)があるのです。

――貴研究所では、STEM教育を広く一般の子どもたちに行うために「STEM QUESTスタジアム」というイベントを行っていますよね。教室のようなものも行われていますか?

木村氏:「STEM QUESTスタジアム」は商業施設などで不定期に開催していて、誰でも参加できます。これとは別に、会員になったお子さん(小学3年生~6年生限定)が参加できる定期開催の「Codolabo STEMひろば」もあり、講師がいるゼミ形式とスタジオで自由に取り組むオープンラボ形式があります。
「STEM QUESTスタジアム」も「Codolabo STEMひろば」も、GIGOブロックやプログラミングを使ってミッション(課題)に挑戦することで、STEM教育が目指す能力を育んでいきます。また、これらのイベントや教室では、風力発電などのプログラミングを使わない内容を行うこともあります。

――プログラミングをしないときもあるのですね。

木村氏:STEM教育は先に挙げた4つの分野を統合して学ぶという考え方です。プログラミングはその中の一領域ですので、必ずしもプログラミングをやらないといけないわけではありません。
例えば、風力発電がテーマの場合は、プログラミングを使わずに、風の力と羽の回転の関係(科学・数学)や環境に適した風力発電のしくみ(技術)、安全に配慮した風力発電装置の開発(エンジニアリング)といった内容を統合的に学びます。

――STEM教育を行ううえで、心がけていることは何ですか?

私どもがSTEM教育の中で特に大事だと思っていることは、新しい価値を創造したり、ものや仕組みを作れるようなイノベーション力を持つ人材の育成です。そのためには、先生も“自分が学んだことを教える人”ではなくて、“子どもたちがやりたいことを実現するために伴走してあげる人”というスタンスで取り組むことが必要になってくると思います。
STEM教育という大きな枠組みの中でプログラミングがどういう役割をはたしているのか意識しておかないと、ただプログラミングの技術を教えるだけになってしまいますよね。ですから、大人の側も社会の変化に対応しながら、学び続けないといけないですね。

第3回に続く

(取材/文:中山恵子)

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