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海外留学生のキャリア意識調査「国内学生との差異が顕著」

日本人留学生の就職観

人材情報提供会社の『株式会社ディスコ(東京都文京区)』は2月21日から3月19日にかけて海外の大学で学ぶ日本人の正規留学生や交換・派遣留学生を対象に、職業観や就職活動に関するアンケートをインターネットで実施。

このほど、その結果とともに、比較可能なものに関して国内学生(※)の調査結果や過去データを引用しながら、その特徴を比較分析して公表した。

※同社が運営する就職支援サービス「キャリタス就活」の学生モニター

就職したい理由について、海外にいる日本人留学生で最もポイントが高いのは「経済的に自立したい」73%。次いで「自分のスキルアップやキャリア形成のため」68.8%が続く。一方、国内学生は「安定した収入を確保したい」が83.4%。「自分のスキルアップやキャリア形成のため」は43.7%で、留学生と25.1ポイントもの差がついた。また、「社会貢献がしたい」という回答も留学生37.6%が国内学生25.3%を大きく上回り、「世間体が気になる」は国内学生38%が留学生16.6%を上回った。

将来の海外勤務については、留学生は65.4%が「ぜひ働きたい」と答え、「よりスキルアップできるから」が57%と突出する。一方、国内学生は「ぜひ働きたい」16.9%で、留学生の希望の4分の1程度に留まった。

国内学生との比較

就職先として企業を選ぶ際に重視する点は、留学生と国内学生ともに「給与・待遇」「将来性」が上位2位となったが、下位の項目に顕著な差が見られた。「日本以外の国で働ける」「高いスキルが身に付く」などの仕事環境・内容に関する項目については留学生の方が高い関心を持っている。
一方、「業績・財務状況が良い」「休日・休暇が多い」などの会社の安定性・制度に関する項目については国内学生の方が注目している。

留学生は、就職をスキルや経験獲得の場と捉え、社会に利益を還元しようとする意欲が強いといえる。就職先の企業選びにしても、国内学生は会社軸で見ており「就社」の側面が強いのに対し、留学生はスキルの獲得など仕事軸で企業を見ている傾向が伺える結果となった。

株式会社ディスコ広報担当の吉田治さんは言う。

「 企業はグローバル人材として留学生の活躍を非常に期待しています 。また、一方では採用難を背景に、留学生に着目する企業は増えています。日本国内では、 人手不足を背景に学生が優位となる売り手市場がここ数年続いており、 採用に苦戦する企業の割合は年々増えているからです」

スキルアップの意識が高く、仕事軸で企業を見ることができる傾向は、帰国生にも共通といえる。グローバル人材である留学生、帰国生に追い風が吹いている。

(取材/文:大友康子)

就職先企業を選ぶ際に重視する点

  日本人留学生 国内学生
給与・待遇がいい 42.7 44.2
将来性がある 39.9 47.4
職場の雰囲気が良い 26.3 27.7
福利厚生が充実している 25.3 31.5
仕事内容が魅力的 23.8 19.3
社会貢献度が高い 23.4 21.4
日本以外の国で働ける 23.1 4.7
高いスキルが身に付く 21.4 10.7
世の中に影響力が大きい 21.0 13.3
有名企業である 18.9 21.1
大企業である 18.7 23.9
優秀な人材が多い 16.6 9.0
業務・財務状況が良い 14.9 30.4
教育・研修制度が充実している 14.9 14.2
休日・休暇が多い 14.2 27.7
業界順位が高い 14.0 17.5
企業理念に共感できる 13.2 11.3
若手が活躍できる 12.1 6.4
男女・学歴などの差別がない 10.4 7.1
残業が少ない 9.8 9.8

出典:海外留学生のキャリア意識と就職活動状況(株式会社ディスコ)