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21年卒の高3生、「休校で受験対策が思うように進まなかった」は56.7%

株式会社ディスコ(本社:東京都文京区)』が、2021年3月卒業予定の高校3年生を対象に行った「コロナ禍での進路決定状況と進路選び」に関する調査結果を公表している。調査の対象者は、全国の大学・短期大学・専門学校の進学情報やオープンキャンパス情報などを提供する「キャリタス進学」の会員。調査期間は2021年3月22日~4月5日で、341名から有効回答が得られた。

高3受験生の74.6%が新型コロナによる大学受験への影響を実感

■新型コロナウイルス感染症流行下での受験に対する影響

新型コロナウイルス感染症流行下での受験

これによると、1校以上受験した高校3年生に、新型コロナによる受験への影響について尋ねたところ、74.6%の受験生が「影響を感じていた・やや感じていた」と回答。

コロナ禍における受験で苦労したことや大変だったことを問う質問では、「学校が休校したことで勉強や受験対策が思うように進まなかった」が56.7%でトップになった。以下、「志望校のオープンキャンパスに参加できなかった」(37.9%)、「自分よりも他人の方が勉強が進んでいるかもしれないと思った」(23.8%)と続く。

■新型コロナウイルス感染症流行によって、受験で苦労したことや大変だったこと(抜粋)

新型コロナウイルス感染症流行により受験で苦労したこと、大変だったこと

オンライン授業が思うように進まず、私立校との教育格差を感じた公立生も

不安に思っていたことや悩みに関する自由回答は以下のとおり。

  • コロナで期待していたオープンキャンパスや進路イベントがすべて中止になってしまった。
  • 学校に行かなかったために、受験生であるという実感がわかず、なかなか受験生モードに切り替えることができなかった。ほかの子たちはもっと勉強しているのかもしれないと不安になった。
  • 県立高校は自宅でのオンライン授業が全然できず、私立との差を感じた。塾の教材を使うなど自力での学習となり、勉強の遅れを感じた。結局、自分でお金を出して塾の映像学習を買わなくてはいけなくなった。
  • 直前に入試情報が変わったばかりかコロナ禍もあり、とても受験がストレスだった。都会のコロナ禍で田舎の地方志向が強まり、判定がほとんど役に立たなかった。
  • コロナの影響で構内へ入れない大学もある状況だったので、受験する大学なのに見学すらできなかった。また、見学ができても対面授業が行われていないため学生が誰もおらず、雰囲気がまったく分からない状態で志望校を決めなければいけなかった。
  • 緊急事態宣言の発出がどのくらい続くのか、また再度発出されるのかが分からなかったため、オープンキャンパスや入試の予定が未確定だったのが悩みだった。

大学入試センター試験に代わり、大学入学共通テストが初めて導入された年でもあったため、受験生たちの不安や戸惑いは例年以上に大きかったようだ。

(取材・文/松井さおり)