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高校生が身近な問いから考えるビジネスプラン、グランプリ決定(後編)

プレゼンテーションのクオリティの高さを評価

(前編)より続く。
株式会社リクルートが提供するオンライン学習サービス「スタディサプリ」が実施している高校生対象のアントレプレナーシップ・プログラム「高校生Ring 2022」。今年1月の最終審査会を経て、グランプリには東大阪大学柏原高等学校の生徒が考えた「県外進学者のためのホームステイマッチングサービス」が、準グランプリには洛南高等学校の生徒が考えた「外出先にある美容院で安価に自分で髪形を直すことができるサブスクリプションサービス」が選ばれた。

審査会では、株式会社リクルート 販促領域プロダクトマネジメント室(まなび)室長 池田脩太郎(いけだ・しゅうたろう)氏が、「今年度この教育プログラムを通じて感じたのは、高校生のプレゼンテーションのクオリティの高さ。ユーザーになり得る人に調査やヒアリングを繰り返し行い、本当に課題を自分のこととして捉え、解決したいと思って取り組んだことにあると思います。高校生の本気度を感じましたし、真剣さがひしひしと伝わってきました」と総評し、参加した高校生の熱意を褒めたたえた。

プロデューサーから海外在住の高校生へメッセージ

無事に最終審査会を終えた「高校生Ring 2022」だが、このプログラムは、リクルートのノウハウを生かして2021年より段階的にスタートした比較的新しい取り組みだ。今年度は「スタディサプリ」導入高校の一部が参加したが、来年度以降は「スタディサプリ 高校講座」または「スタディサプリ 探究講座」を導入するすべての高校が参加可能とし、さらに発展させていくという。現在のところは日本の高校に通う生徒に向けたプログラムではあるが、海外で学んでいる日本の生徒たちに向けて、株式会社リクルート 高校生Ringプロデューサー兼「キャリアガイダンス」編集長の赤土豪一(しゃくど・ごういち)氏がメッセージを寄せてくれた。

「高校生Ringは『半径5mの小さな気づきが、世界を変える。』というコンセプトの元、高校生たちから多種多様なビジネスプランが集まってきます。例えば、『左利きは何かと不便なので何とかしたい!』『水泳が好きなので、家でも泳げるようにしたい!』など、プランを拝見する中で、『自分なりの視点の大切さ』を感じるシーンが多くあります。海外で生活されている皆さんは、日本との違いという視点、そして現地に住んでいる人ならではの視点を、多くお持ちかもしれません。それはきっと皆さんお一人おひとりにとってかけがえのない大切なオリジナルな視点となり、自分らしいアイデアを生み出すだけでなく、在り方生き方にもつながっていく素晴らしいものになるはずです。ぜひ、その視点を大切に、そしてこれから起こる体験を自分なりの視点に変えていっていただきたいと思います」

また、「高校生Ring」の目的のひとつには、若い人々に国内外問わず通用する力を身につけてほしい、といった思いもある、と赤土氏は話す。

「アントレプレナーシップは、起業を目指す人にのみ必要な力ではなく、これからの社会を生きていく全員に必要な力であると私たちは考え、プログラムのねらいを『問いを探し、創り出す経験の中で、自分を知る学びの機会を。』と定義しています。経験を自分の学びに変えていく。この型を身につける中で、日本国内はもちろんのこと、国際的に活躍する人となるきっかけになれると嬉しいと考えています」

今回の審査会の様子は、2月27日(月)21時~22時(日本時間)に、特別番組『高校生Ring AWARD 2022 Presented by リクルート』として、ABEMAで放送される。また、リクルート公式YouTubeでもアーカイブ予定だ。公式YouTubeでは、「高校生Ring」のスタート時からセミファイナルまでの様子も公開されているので、興味のある人は実際の活動を見てみてはいかがだろうか。

(取材・文/中山恵子)