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“子どもの本”専門店の店長に聞く!今年、小学校低学年に人気だった作品と絵本の魅力

「我が子に絵本を読み聞かせしたり買ってあげたりしたいけれど、どんなものを選べばよいのかわからない」という人は多い。ましてや我が子が小学生ともなると自我もしっかりしてきて、ますます悩んでしまうもの。

そこで東京の神保町にある、こどもの本専門店&カフェ Book House Cafeの店長・茅野由紀(ちの・ゆき)氏に2018年に小学校低学年の子どもやその親に人気だった絵本やおすすめの絵本、さらには絵本の魅力についても話を伺った。

店長 茅野由紀氏
店長 茅野由紀氏

店舗で人気の『みえるとか みえないとか』とオススメの『クリスマスのあかり』

2018年、同店で人気の高かった絵本は、7月に出版された『みえるとか みえないとか』。(ヨシタケシンスケ/さく、伊藤亜紗/そうだん、アリス館)

絵本作家ヨシタケシンスケ氏が、書物の『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)の著者・伊藤亜紗氏と相談しながら作ったという話題作だ。

「同じ人間は一人もいないはずなのに、目が見える人と見えない人、といったように身体的特徴の違いで分けて考えることが多いこの社会のこと、そしてその考え方について小さな子どもにも分かりやすい例えで、優しく問いかけている絵本です。

でも、説教めいた本ではなくて非常にユーモラスで絵や構成が素晴らしく、絵本として楽しめるところがなんといっても最大の魅力でしょうか!」(茅野氏)

『みえるとか みえないとか』アリス館
『みえるとか みえないとか』アリス館

また、2018年に出版された中で茅野氏が個人的に気に入っている絵本は『クリスマスのあかり』(木村有子/訳、出久根 育/絵、レンカ・ロジノフスカー/作、福音館書店)だという。

チェコのクリスマスイブを舞台に、小さな男の子フランタの冒険が描かれた可愛らしい作品だ。

「異国情緒いっぱいの1冊。この絵本のイラストレーターの出久根さんは実際にチェコで暮らしているので、在住者ならではの視点で細部までいきいきと描かれているのが魅力です。その美しい絵と翻訳の力で、見知らぬ文化や遠い国に住む人たちに思いを馳せることが容易にできます」(茅野氏)

『クリスマスのあかり』福音館書店
『クリスマスのあかり』福音館書店

教育のために絵本を読むのではなく、ただ楽しんでほしい

子ども向けの絵本や児童書を専門に取り扱う店の店長を務める茅野氏に、あえてこんな質問をぶつけてみた。

「絵本の魅力って何ですか?」

「絵本の魅力はたくさんありますが一番を挙げるなら、いろいろな世界を見られることです。虫になって地面にもぐることも、宇宙飛行士になって空を飛ぶことも、絵本の中でならできますよね。

また『このドキドキする気持ちをもう少し味わいたい』と思ったら、ページをめくる手を止めてドキドキに浸ってみたり、自分のペースで読み進められたりするのも絵本ならではの良さです。あとは、赤ちゃんからご老人まで、同じ絵本を見て楽しめることですね」(茅野氏)

「子どもの教育に役立つ絵本はどれですか?」と客に聞かれることも多いというが、「何かの役に立てるために読む、という考えを頭から取り去ってほしい」と茅野氏は語る。

「なぜなら、絵本は無くても困らないもの。ただの楽しみなんです。ですから、“絵本で友情を教えよう”などと目的を決めて子どもに読ませることで窮屈になり、少なからず楽しみが減ってしまいます。絵本を読んで何を感じるかは人それぞれですから、自由に楽しませてあげたいですよね」

絵本が見せてくれる世界は無尽蔵。冬休みは、子どもと一緒にのんびりと絵本を広げてみてはいかがだろう。

(取材/文:中山恵子)
(店内写真と茅野氏写真/株式会社ブックハウスカフェ提供)

店舗情報

こどもの本専門店&カフェ Book House Cafe
東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1F
03-6261-6177