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在宅勤務の増加で、子どもの「保護者の仕事への理解進む」(後編)

株式会社栄光(本社:東京都千代田区)』が運営する進学塾『栄光ゼミナール』が小学1年生~高校3年生の子どもを持つ保護者に行った「小中高生の家庭の職業観に関する意識調査」の調査結果を公開している。

同調査は2018年より毎年実施しているもので、今回が4回目となる。調査期間は2021年9月15日(水)~9月29日(水)。調査対象は小学1年生~高校3年生の子どもを持つ栄光モニター会員(栄光ゼミナール・栄光の個別ビザビ・大学受験ナビオに通塾する保護者)で、回答者487名の内訳は小学生保護者215名(44.1%)、中高生保護者272名(55.9%)だった(調査方法はインターネット調査)。

保護者や家族の仕事について「知っている」小中高生が9割以上

これによると、「子どもが、保護者や家族の仕事について知っている」と答えた小学生保護者は93.0%、中高生保護者は93.8%に上り、多くの家庭で、家族の仕事について、子どもと話をしていることが明らかとなった。

「新型コロナウイルスの影響で、家族が在宅勤務をしている(していた)」家庭は全体の67.4%で、昨年とほぼ同割合だった。また、そのうち、「子どもの職業観に影響があったと思う」と回答した保護者は 25.4%だった。「仕事に対する具体的なイメージが持てた」「保護者の仕事への理解が深まった」「オンラインでできる仕事・できない仕事があることを認識できた」といった影響があったようだ。


子どもの夢のために、保護者が積極的にフォロー

ここからは、アンケートに寄せられた「子どもの職業観・勤労観を育むために家庭で取り組んでいることの具体例を紹介する。

【保護者の職業について】

  • 「働くのは大変だけど、やりがいもあるし楽しい」と言葉でも態度でも伝える。(小6保護者)
  • 保護者の仕事に対する価値観を話したり、ライフ・ワーク・バランスの重要さを話したり、今の努力(学習)が将来の仕事の選択肢を広げるためにもなるなどの話をしたり、仕事図鑑を読ませて世の中の仕事を知ってもらうようにしたり気にかけています。(小6保護者)
  • 保護者、親戚の仕事の話など、メディアや新聞等で取り上げられたりするのをきっかけに話したりしている。(中2保護者)

【子どもが就きたい職業についての支援】

  • その職業に就くために必要な具体的な進路や方法、ついたあとにどうなるかということについて話している。(小4保護者)
  • 建築関係志望のため、外出先で変わった建築物や、利用者の意向を重視した建築に触れるよう工夫している。(小6保護者)
  • 医療関係に就きたいと言っているので、コロナが落ち着いたら福祉施設のボランティアに行かせたい。(中1保護者)

【職業選択、勤労意識の醸成について】

  • 霞が関のキッズデーや職業体験、ワークショップを探して参加していた。(小6保護者)
  • 長期休暇中に、お手伝いを仕事として給料制にし、仕事の完成度、気分でしないこと、有給の設定も実施した。(小6保護者)
  • 両親が働いている環境で育ち、働くことは当たり前のことだという感覚は持っているので、資格を取り、社会貢献できる仕事に就けるよういろいろな番組を見たり、ネットで情報収集をしたりしています。(中3保護者)
  • 親が知らない、あるいは子どもに希望しない職種についても、否定的なことを言わないよう気を付けている。子どもの将来の職業に関連する仕事かもしれないので。(高3保護者)

(取材・文/松井さおり)