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中高生開発のアプリにフィードバックも好評、アプリ甲子園(後編)

今年のファイナリストの作品は?

前編)からの続き。
全国の中高生を対象にしたスマートフォン・Webサービス向けアプリ開発コンテスト「アプリ甲子園2021」の決勝大会が10月24日(日)に開催される。オンラインで行われた2次予選を勝ち抜きファイナリストに残ったのは高校生9組と中学生1組の計10組だ。どのようなアプリを考えたのか、概要の一部を紹介する(※敬称略、五十音順)。

プレゼン原稿表示アプリ「Presc」(プレゼンゲンコウヒョウジアプリ プレスク)
青木勇樹/東京都立新宿山吹高等学校 高校3年生
スマホに表示した原稿を、実際の話すスピードに合わせて自動スクロールしてくれるプレゼンテーション用原稿表示アプリ。

プレゼン原稿表示アプリ「Presc」

WordStand (ワードスタンド)
伊藤貴之/鹿島山北高等学校 高校3年生
数値ではない「言葉の電卓」を通して、使った人が新しい発見をしたり、議論をしたり、言葉の式から始まる新しいコミュニケーション手段になることをイメージしたアプリ。

WordStand

AIbou (アイボウ)
上坂進之祐、古田基忠、大塚嶺 ※チーム/渋谷教育学園渋谷高校 高校3年生
AIと英会話の練習ができるiOSアプリ。会話相手がAIであることで気を使うことや費用がかかることなく、気軽に英会話を楽しむことができる。

AIbou

ROLL THE DICE (ロールザダイス)
宇枝礼央/杉並区立中瀬中学校 中学2年生
5マス×5マスの盤上で白と黒のサイコロを転がし勝負する対戦ゲーム。両色のサイコロが隣り合った時に目の大きいサイコロが生き残り、相手のサイコロを全て消したほうが勝利。

ROLL THE DICE

Magical Banana (マジカルバナナ)
大澤清乃/湘南白百合学園高等学校 高校1年生
ものづくりをする上で重要なアイデアだしをサポートするアプリ。連想された単語同士を掛け合わせ、新しいアイデアを作成・ストックすることができる。

Magical Banana

Walk Promoter (ウォークプロモーター)
佐伯凜乃介/学校法人角川ドワンゴ学園S高等学校 高校3年生
キャッチコピーは『いつもの景色の向こう側へ!』。コロナ禍による運動不足という課題発見に基づいた散歩助長アプリケーション。

Walk Promoter

My Bookshelf (マイ ブックシェルフ)
繁野怜央/桐蔭学園高等学校 高校1年生
自分が持つ本を管理できるアプリ。データベースからの検索やバーコード読み取りなど様々な方法で追加することができ、欲しいものリストとしても活用できる。

My Bookshelf

SukiTime (スキタイム)
西山朋佳/川崎市立川崎高等学校 高校2年生
スキマ時間を有効活用するためのiOSアプリ。事前にToDoとおおよその所要時間を入力しておくことで、スキマ時間にぴったりのToDoを提案してくれる。

SukiTime

sitasuberi (シタスベリ)
藤井美羽/学習院女子高等科 高校2年生
スマートフォンで簡単に滑舌の向上が図れるアプリ。アプリのデザインは、コンセプトに合うように原稿用紙風にし、様々な早口言葉を一覧として見れるようにした。

sitasuberi

WordCam(ワードカム)
保坂篤志/早稲田実業学校高等部 高校3年生
画像認識で単語帳から単語帳から単語を取り込み、オリジナルのMy単語帳を簡単につくることができるアプリ。
WordCam

「これから決勝を控えているのでファイナリストの作品についてはコメントできませんが、今年の応募作品全体に関していいますと、コロナ禍による運動不足の解消に役立つものや、地域や地元に目を向けたものが目立ちました」と、アプリ甲子園実行委員会事務局の江口諒(えぐち・りょう)氏は評する。

出場者たちが社会で活躍し始めている

また、決勝に残らなかった作品に対しても、フィードバックを実施する企画を用意しているという。

「これまでに参加いただいた中高生からも『フィードバックを聞けて勉強になった』『参加した価値があった』という声をいただいています。中高生の作品に対して、社会で実際に活躍している人々からの客観的な評価やアドバイスを聞けるというのは、めったにない経験だと思います」(江口氏)

実際に過去にアプリ甲子園に出場した中高生の中からも、この経験を活かし、さらに勉強や研究を発展させて、起業をしたり、シリコンバレーで働くなど、活躍をし始めている人々もいるという。

「多くの素晴らしい作品がありましたが、印象深いものをひとつあげるとすると、2015年に当時小学6年生ながら優勝した中馬慎之祐くんが考案した世界中の食物アレルギーの人のためのアプリ『allergy』です。このアプリは、中馬くん自身が食物アレルギーをもっていて、海外旅行に行った際に英語が通じないお店のメニューを見てもアレルギー物質が含まれているのかどうかわからなくて困った経験から思いついたそうです。例えば、アレルゲンの卵のアイコンをクリックすると、多言語でお店の人に尋ねるメッセージが表示されるというものでした。食物アレルギーがない人にとってはなかなか思いつかないことですよね。自分が困ったことの問題解決から、世界中の困っている人々の問題解決へと、大きく発展させた好例だと思います」(江口氏)

アプリのアイディアはもちろんのこと、プレゼンテーションの仕方や、社会で活躍中の審査員の講評など、アプリ甲子園の決勝大会から、多くの学びを得られそうだ。

「アプリ甲子園」の詳細(https://applikoshien.jp/)
ライブ放映先 (https://www.youtube.com/watch?v=9qTVec5mMfc)

(取材・文/中山恵子)