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2021年卒理系学生の就職活動を分析 ~インターンシップ編~

株式会社ディスコ』(本社:東京都文京区)が運営する「キャリタス就活」が、2021年卒の理系学生の就職活動に関する調査データの中から主なものを抜粋し、専攻分野(機械・電気系/情報系/化学・農学・薬学系)、あるいは文系学生との比較などを通じて、その特徴を分析している。今回は「インターンシップ」の項目に注目し、その傾向を見てみたい。

1日以内のプログラムに参加経験のある理系学生は84.9%

まず、インターンシップの参加状況を見てみると、いずれの属性も8割以上の学生が「1日以内のプログラム」に参加経験があることが分かっている。1日以内のプログラムの参加社数は平均5.8社。これは、文系(7.9社)よりも2社以上少ない数字で、文理差が大きく表れる格好となった。また、機械・電気系は5日以上のプログラムへの参加率が46.5%と半数近くにものぼり、他の専攻よりも高い傾向(情報系は36.9%、化学・農学・薬学系は22.1%)にあることが明らかとなっている。これは、文系全体の28.9%、理系全体の35.8%という数字から見ても突出して高い数字といえる。

参加時期のピークはいずれの属性も8月。情報系は9月までが約6割(57.4%)を占めていて、早い時期の参加割合が高かった。

さらに、インターンシップに応募する際に重視したことについては、「学業に支障が出ないこと」が理系全体で79.4%、文系で77.0%となったが、機械・電気系では83.3%とさらに高い結果となっている。一方、情報系は「実践的な仕事を経験できること」が82.8%(理系全体は68.9%、文系は66.1%)、「本選考での優遇が期待できること」が65.7%(理系全体は60.0%、文系は55.0%)と高い割合に。他の専攻に比べ、より就職を意識してインターン先を選ぶ傾向が強いようだ。

理系のインターンシップ参加者には早期選考の案内が届く傾向

では、インターンシップ後のアプローチや優遇についてはどうだろうか。今回の分析によると、理系は「早期選考の案内」が4割を超え(41.9%)、文系(32.6%)との差が9ポイント以上開く形となった。情報系は「早期選考の案内」(48.1%)や「エントリーの案内」(42.6%、理系全体は30.1%、文系は28.9%)、「限定セミナーや懇談会の案内」(36.1%、理系全体は29.8%、文系は36.3%)など、他の専攻学生よりも高い項目が多く、参加後に様々なアプローチを受けた様子が見てとれる。

就職決定企業のインターンシップの参加状況では、文系に比べ、理系の方が就職決定企業のインターンシップに参加していた割合が高めだった(理系全体54.2%、文系45.7%)。

近年の就職活動において、もはや定番となっているインターンシップへの参加。特に理系の学生にとっては、リアルな仕事内容や職場環境を知るまたとない機会になっているようだ。

(取材・文/松井さおり)