教育の準備 基礎知識と海外滞在時から始める準備

vol.1

帰国生の高校受験

高校受験というと、概してその先にある大学進学だけを意識してしまう傾向は強いものです。
もちろんそれも重要ですが、学校選びの時点で、将来どのような職業につきたいか、大学では具体的に何を専攻したいのかといったことも視野に入れておくことが大切。
帰国生の親として「高校受験」の実体とその準備についてしっかりと確認し、後悔することのないよう、子どもと一緒に海外にいるときから意識を高めておきましょう。

帰国生の高校受験の基礎知識

帰国生を積極的に受け入れる高校の体制は、どのようになっているのか。 帰国生枠で受験するために必要な条件は何か。 また、近年急速に多様化しているという選考方法にはどのようなものがあるのか。
高校受験を受ける際の基礎的な知識を、入試全体の流れも含めて確認しておこう。 高校受験成功の鍵は本人の意思と自覚にあるが、親としても、それを後ろから支えサポートしていく、という役目をしっかりと担っていきたい。

 

受け入れの体制

日本にある高校に入学または編入する場合は、必ず選考試験を受けて合格しなければならず、それは帰国生といえども例外ではない。 とはいえ、帰国生を積極的に受け入れる高校は、国立・公立・私立を問わず全国で増加傾向にあり、その多くが、選考の際に特別枠を設けるなど帰国生に何らかの配慮を行っている。 このことは、帰国生にとって喜ばしいことと言えるだろう。受け入れの体制は、以下の三つに大別される。

 

(1) 帰国生の受け入れを主な目的としており、入学後は補習や語学の特別クラスを設けるなど、「受け入れ体制」が充実している学校

全国で十校以下と数は少ないが、生徒総数に占める帰国生の割合が極めて高く、現地校やインター校に長く在籍した生徒にも過ごしやすい環境となっている。

 

(2) 帰国生受け入れが学校の主な目的ではないが、一般とは別に「帰国生枠」を設け、入学後には何らかの「受け入れ体制」を持つ学校

多様な選考方法があり、補習や語学クラスの有無など入学後の対応も様々。三種の中で最も校数、すなわち選択肢が多いといえる。

 

(3) 「帰国生枠」は設けるが、特別な「受け入れ体制」はない学校

競争の激しい人気進学校に多い。選考は国内一般と同一問題で行い、合格基準点を下げる、現地での成績や活動など学科以外の要素も評価対象とするなどの配慮をするが、入学後は国内生とまったく同じ指導を行う。日本語能力や日本の学習に支障のない生徒に向いている。

 
公立高校の受け入れ

国際化の進行による帰国子女の増加に伴って整備が進み、全国的に帰国生受け入れ校が増加している公立高校。英語教育に重点を置いたSELHi(※)、また国際学科や国際文化コースの設置も進んでいる。近年、帰国生の選択肢は確実に拡大してきている。

※ Super English Language High School、文科省認定の英語強化指定校。
2008年11月現在、全国で私立高校も含む約50校が指定されている。

 

条件

帰国生枠で受験をする際の基本的な条件は、次の二つとなる。

 

(1) すでに海外・国内あわせて九カ 年の学校教育課程を修了してい る、もしくは入学年の三月末日ま でに修了見込みであること。

(2) 海外の学校での継続在籍年数が一定以上あり、その上で帰国から受験までに年数が経過しすぎていないこと。

 

(2) の継続在籍年数は学校によって異なるが、二年以上とされることが多い。また、帰国から受験までの期間の規定は多くが一年から三年以内だ。同じく (2) の「海外の学校」を現地校かインター校在籍者に限定する学校もあるため、海外の全日制日本人学校在籍者はその点をよく確認する必要がある。ただし日本人学校在籍者に、別枠の帰国生枠を設ける学校があることも知っておきたい。

他に、入学後は保護者との同居を求める、通学地域に指定を設ける(主に公立校)、保護者帰国後の本人のみの海外残留を認めない、本人のみの留学を認めないなどの条件を追加する学校もある。受け条件入れ校の多くには帰国生担当の窓口があり、不明な点があれば担当の教職員が個別相談に応じてくれるので直接問い合わせてみよう。

 
教育制度の違いによる注意点

現地校やインター校に在籍した子どもが受験する際に、学年の終了月の違いから九年生を修了できない場合、次の二つの対処法がある。一つは帰国して国内の公立中学に編入し、三月末日までに修了見込みとする方法。もう一つは、海外で通学可能な全日制日本人学校に編入して三月末日までに修了見込みにするというものだ。

どちらの方法を選ぶにしても、リスクは把握する必要がある。日本国内の公立中に編入する場合は、周囲に馴染めないことから受験勉強に集中できない、学習内容の違いもあって内申点が伸びないなどということも。また、全日制日本人学校は、運営母体が私立なため、いつでも必ず編入できるとは限らない。とはいえ、こうした方法で見事に志望校に合格した例も少なくない。また、入学年の三月ではなく、入学年の六月修了見込みでも受験を認める学校も少数ながら出てきたのは嬉しいこと。

 
帰国生の高校入試日程
 

選考方法

国公立校の一般入試科目は、英 語・数学・国語・理科・社会の五 教科。多くの私立校では英語・数 学・国語の三教科の学科試験の成 績を中心とした選考を行ってい る。しかし、帰国生入試では、国 公立校であっても、教科数を三教 科に軽減したり、海外で受けた教 育の特徴に配慮して、学科試験だ けではない様々な観点から帰国生 の能力を評価できるよう工夫がさ れていることも多い。

次に挙げた四つの主な選考方法 を把握して、どのタイプが向いて いるのかを考えてみよう。ただし 最近では選考方法が多様化してお り、一つの学校に複数の選考方法 がある場合や、一般入試の中に帰 国生が利用できる選考方法も増え ている。日程や受験の条件を事前 によく調べれば、チャンスは増え そうだ。

 
作文・面接を主とした選考

帰国生の受け入れを主たる目的 として設置された学校を中心に実 施。学科試験は行わず、現地在籍 校での成績表や活動歴などを記し た書類、日本語または外国語(英 語である場合が多い)による作文、 面接で選考する。

 
英語力を重視した選考

私立の進学校に多く見られる選 考で、学科試験は英語のみ、また は英語に加えて国語・作文・適性 検査・面接など。英語・数学・国 語の三教科を課す学校でも、英語 が高得点であれば、他教科が合格 基準点以下であっても選考段階で 考慮する、出願書類の英語能力試 験のスコアも含めて評価する、な どの措置が取られている。

 
帰国生専用の問題による選考

国立・公立・私立、すべての学 校で実施されている選考で、三ま たは五教科での帰国生専用の問題 を使って行われる。帰国生が海外 で受けた教育を考慮し、数学や国 語は一般の入試問題より難易度を 下げた基礎的な問題にする、英語 をやや難しくするなどの工夫がさ れている。

 
一般生と同一問題による選考

国立・私立の難関校で多く実施 される一般生と同一問題による三 または五教科の選考で、国内生と 同等の学力を要求。帰国生には、 合格基準点を若干下げるなどの配 慮はあるが、競争はかなり厳しい。

 
帰国生枠以外での選考方法

帰国生が利用できる、国内生と 同じ受験枠。その主な二種である 推薦入試と一般入試を紹介する。

 
推薦入試

出願者を学力だけではなく幅広 い観点から評価しよう、という目 的で導入されたのが推薦入試。従 来の学科試験による知識偏重型の 選考に対して、推薦入試では学科 試験はせずに、書類審査、面接、 作文、適性検査などの組み合わせ で選考を行う。現在では、私立校 に限らず多くの国公立校でも実施 されている。導入の背景には、生 徒数が減少を続ける中でよい生徒 を一人でも多く確保したいという 学校の思惑もあるため、通常は一 般入試の前に実施される。ただ帰 国生が利用できない場合もあるの で確認が必要だ。公立校の場合に は、地域ごとに定められた中学校 の内申点が判定基準の一つになる ので、公立中学への在籍期間が短 い場合は利用できないことがある のを心得ておきたい。

推薦入試には学校長の推薦が必 要となるが、学校長の推薦がなく ても出願できる自己推薦・AO入 試(※)なども、学業以外の分野で特筆すべき能力や活動経験があ る生徒に広く出願の機会を与え る。国内生とは違った経験を積ん だ帰国生にとっては嬉しい選考方 法だと言えるだろう。

 
一般入試

高校入試は近年、急速に多様化 している。公立校では学区の撤廃 や緩和が全国的に広がり、生徒の 興味・関心や適性に合った学校選 択が可能となっている。また公立・ 私立を問わず、入試日程の複数化、 受験教科選択の多様化(受験生が 得意な教科を中心に受験教科を選 択可能)、得意教科の配点率を他 の教科の倍にするといった傾斜配 点の導入なども進んでいる。さら に帰国生枠と一般枠の複数受験を 認める学校もある。

こうした一般の入試情報をきち んと把握し、準備しておけば、一 般に先立って実施される帰国生入 試で万が一よい結果が出なくても、 自分に合った選考方法を選んで再 度チャレンジすることができる。

特に、海外で全日制日本人学校 に在籍した生徒に帰国生枠を設け る学校は少ないので、一般入試の 情報を国内の生徒と同じように収 集し、学習の準備もしておこう。

※ AO(Admission Office) 、入試事務所中心に学校側の求める生徒像を選ぶ入試。基本的に、その学校で学習することへの目的意識が高く、意欲のある生徒が望 まれる。書類審査や面接は、時間をかけて丁寧に行われることが多い。

 

滞在中にしておきたい準備

高校受験への心の準備、実務的 な準備も、海外滞在中から少しず つ始めておきたい。将来は何の職 業に就きたいのか、大学に進学す るとしたら専攻はどうするか、ま た、大学は日本か海外か。将来の イメージを膨らまし、まずは志望 する進路に必要な科目を選択でき る学科を持つ高校を選ぶ。取得可 能な科目は、普通科・総合科(単 位制)・国際科・商業科・工業科 などにより異なる。例えば日本の 国立大学の受験を考えているな ら、センター試験や二次試験で必 要な科目を選択できるかを調べて おく。海外の大学を視野に入れる なら、語学力を伸ばせる環境を選 ぶ必要もあるだろう。
具体的におさえておきたいこと として、情報収集の仕方、実際に 学校を訪問する手順や方法、出願 書類の入手方法を紹介する。そし て、今から取りかかれることとし て、志望校の選考内容にあった受 験勉強の方法についても提案する。

 

情報を収集

様々な学校の情報を簡単に比 較・検討できるのがインターネッ トの情報サイトだ。情報をダイレ クトに入手するために、まずは日 本語環境を整えておきたい。環境 が整ったら、早速学校の情報を総 合的に掲載するサイトを閲覧し て、行きたい学校のイメージ、自 分の中で譲れない条件を整理して みよう。そして、イメージや条件 に合致する学校を見つけたら、そ の学校のサイトを見て募集要項を はじめとする具体的な情報を確認 する。各学校のサイトは年々充実 度を増しており、かつての学校パ ンフレットの代わりになりつつあ る。インターネット上の情報は更 新頻度も高いので、時々チェック する習慣をつけておきたい。

 

学校訪問の準備

自分の目で見て耳で聞くこと は、学校選びにおいて有益なこと。 志望校が固まり始めたら、書籍や ウェブ上の情報だけに頼らず実際 に学校へ足を運んでみたい。帰国 生対象の説明会、個別の学校訪問 の受け入れ、体育祭や文化祭など 行事を公開する学校もある。サイ トでそれらの日程を確認し、里帰 りなどでの一時帰国を利用して参 加してみるとよい。ただ、事前予 約が必要な場合や応募の際に帰国 生としての資格認定を義務付ける 学校もあるので、計画は早めに。

 

出願書類の入手

新年度(通常は四月に開始)に 向けた募集要項の詳細が決定され ると、各学校がそれを前年の七月 初旬頃までに順次ウェブ上などで 公開する。出願書類の申し込みが サイトから直接できる学校もある が、中には学校の窓口配布のみや 日本国内の書店での入手しか対応 していない学校も。そうした場合 は、日本の親戚や業者に頼むこと になるが、最後までフォローアッ プすることを忘れないでおきたい。

 
情報の窓口

海外からアクセス可能なインターネットの情 報サイトは、志望校選定、説明会や行事の 日程確認、出願書類の入手など上手に利用しよう。また、進学 ガイドブックは多くの学校の比較検討に便利だ。

 
◆情報サイト
『日本国内の帰国子女受入校』
主催/(財)海外子女教育振興財団
URL . http://www.joes.or.jp/index.html
 
『帰国子女のための受験・教育情報ブログ』
主催/海外・帰国子女教育専門機関JOBAURL
http://www.jolnet.com/
 
◆情報サイト
『海外・帰国生のためのスクールガイド
Biblos 2009 年度版』
編/JOBA ビブロス編集部 出版/東京学参
URL . http://www.jolnet.com/biblos/
※ JOBA 直営教室・提携教室に通塾されている場合は、各教室で販売・配布される場合があります
 
『帰国子女のための学校便覧2009 』
編・出版/(財)海外子女教育振興財団
URL . http://www.joes.or.jp/publish/binran.html
 
 
海外から取り寄せ可能な資料

出願書類を入手したら、早めに作成準備に取りかかろう。 受験料振り込みなどは充分な余裕を持って行いたい。

 
(1) 入学願書

記入例を参考に、自筆で丁寧に記入する。日本の住所が未定で、 仮住所が必要なときは、親戚などに了解をとっておく。写真は規定の 大きさを守り、万が一剥がれても分かるよう裏に名前を書く。

 
(2) 現地の学校の在学・卒業・成績証明書

学校により提出書類が異なるが、在学・卒業証明書に加え成績証 明書(原紙)、または成績表のコピー提出が通常。「厳封」は現地 の先生に説明が必要。和訳添付の場合、教科名や成績表の評価 の基準も説明しておく(例:1 が一番よく、5が一番悪いなど)。

 
(3) 在留証明書

海外に何年在留していたかを証明する書類で、通常保護者の勤務先 が発行する。書類依頼時に、在留期間に間違いのないよう確認して おこう。パスポートのコピー提出で帰国・出国日を確認する学校や、 規定の用紙に記入、公印を求める学校もある。

 
(4) 海外歴の表や志望理由書

本人作成の海外歴の提出を求める学校も多いので、出入国日や、 小学校以降の転出・転入日はきちんと記録に残しておく。志望理由 書は考えをまとめ、用紙の大きさに合わせて丁寧に自筆する。

 
(5) 受験料納入証明書

受験料を出願時に現金で直接支払う学校と、前もって銀行振り込み とし、その領収証を出願書類に同封するところがある。ネットバンキン グやATM 振り込みでは領収書がもらえないので、海外から出願する 場合には、振り込みの手段を確認し、必要なら親類などに依頼する。

 
(6) 国内中学校の調査書

帰国後、国内の中学校に在籍した場合は、調査書が必要(一般生 と同じもの)。入試日程を考え、早めに担任に依頼する。

※他に、英検証明書・TOEFL . TOEI Cのスコア・各種表彰状等を提出させる学校もある

 

学習の準備

海外滞在中に日本の高校への進 学を決めたとき、学習面ではどん な準備を進めたらよいのだろう か。帰国までの期間を上手に活用 し、それぞれの選考内容に合う効 率的な学習方法を考えてみよう。

 
作文・面接による選考を主とした学校の場合

対策としては、何よりも海外の 在籍校での学習や課外活動に力を 注ぎ、充実した学校生活を送るこ とが第一だ。こうした選考では、 当日の試験以外に現地での成績や 活動の記録も重要な選考基準とな るので、できるだけよい評価を得 ておく必要がある。また、作文や 面接を通して学校側が見たいの は、異文化の中での暮らしぶりや、 地域とのかかわり方など、学科試 験では知ることのできない意欲や 知的好奇心の旺盛さ。その理由は、 帰国後の学校生活にも大きな影響 を及ぼすからだと言える。

とはいえ、基本的な文章力の不 足が原因で、自分の考えを筋道立 てて伝えられなければ元も子もな い。作文が日本語であれ、外国語 であれ、文章を読解して論述でき る力をつけていく必要がある。時 事問題を簡単に読みやすく解説し た短めの新聞コラムを読み、感じ たことを決められた字数でまとめ る練習を多くこなせば、論理的な 文章を展開する力をつけることに もつながる。文章展開においては、 言語は異なっても、現地校やイン ター校で教わったエッセイの書き 方のポイントなども参考になるは ず。そしてそのためにも、読書量 を増やして言葉の泉を豊かに満た しておくことが大切だ。

日本語での作文なら、補習校の 宿題や通信教育などの学校外学習 で基礎的な日本語能力を養い、句 読点や送り仮名などを正しく使え るようにしておきたい。  面接対策としては、これまでの 教育歴を振り返って将来何がした いかを真剣に考え、自分なりの気持ちや意見をまとめておくこと。 面接官の心に届くのは、説得力の ある正直な答えであるはずだ。

作文のテーマ例
  • 夏時間の導入をどう考えるか
  • 海外の学校で最も印象に残った授業は何だったか、それはなぜか
  • 「もったいない」の精神は、環境 問題でどう活かされるべきか
面接での質問例
  • 英語では表せない日本語の例を挙げよ
  • 滞在国における日本の立場はどのようなものであったか
  • 英語を早く習得するために気をつけたことは何か
 
英語力を重視した選考を行う学校の場合

まず、要求される英語力は、相 当高いものだと心得ておきたい。 難解な長文読解が出題されること も珍しくなく、学校や選考方法に よっては、英検準一級程度、 T O EICでいうと八〇〇点程度を推 薦基準とすることもある。現地校 やインター校で学んでいれば英語 は大丈夫という考えがあるかもし れないが、いざ日本の試験に挑む と点が取れない、ネイティブ同様 の発音で話すことはできても論説 文など硬い文章の理解が十分でな いという帰国生は案外多いものだ。

原因として考えられるのは、現地 のESL(※)では、日本での英 語の授業で教えられるような基礎 的な文法事項を習得しにくいため、 そのような出題をされると対応し きれないという点である。対策と してよいのは、日本の中学校の英 語の教科書やそれに準拠した参考 書などを総復習しておくことだろ う。基本をしっかり把握できれば、 今まで理解できずにいたことが鮮 明にわかるようになることもあ る。さらに語彙力の強化も重要だ。 わからない言葉があったら、すぐ に辞書を引く。ついでに同義語や 反意語も一緒に調べておくと語彙 が豊かになる。

 
帰国生専用の問題による選考を行う学校の場合

公立校の大部分と私立校の一部 がこれにあたる。求められるのは、 学齢相当の標準的な学力。まずは 日本の教科書レベルの基礎をしっ かり身につけること。難しい受験 用の問題集と格闘する必要はない が、学齢に合った参考書や問題集 で演習量を増やし、基礎問題で取 りこぼしがないようにしたい。

 
一般生と同一問題による選考を行う学校の場合

求められるのは、日本国内の受 験生と同等の学力だ。帰国生に対 しては選考段階で多少の配慮はあ るものの、人気が高く、偏差値も 一般と殆ど変わらない場合が多い。 こうした学校を志望する場合には 当然、国内の受験生と変わらない 受験勉強をする必要がある。

※ English as Second Language、英語を母語としない人のための英語教育クラス。

 
親として 受験の見据え

自我がまだ十分に確立されない 年齢で行う中学受験と違い、保護者 の理想通りにいくとは限らない高 校受験。ちょうど大人へと成長する 時期に差しかかっている子どもが、 将来について真摯に考え始めてい るのなら、まずはそれを聞いてあげ よう。帰国の時期についても十分な 考慮が必要。高校入学時・編入時が よいのか、大学入学に合わせるほう がよいのか、よく検討しよう。

また、思春期に日本以外の学校 文化を経験した子どもは、日本に も海外にも属さない独自のアイデ ンティティを持っていることが多 い。帰国後は、日本にいる同年代 の仲間の中で、さらに自分を築く 作業を続けることになる。部活動、 あるいは語学の授業など、何でも よいからとにかく本人が自分の居 場所と思える環境があると、適応 がスムーズになり有意義な時間を 過ごせる。学校選択は、こうした ことも踏まえて、親として的確に アドバイスをしてあげたい。